職場における熱中症対策が、2025年6月より罰則付きで義務化されることが決定しました。厚生労働省は、労働安全衛生法の省令を改正し、企業に対して具体的な対策を求めます。対策を怠った場合、法人や代表者には懲役や罰金が科される可能性があります。
深刻化する労働災害
近年、職場における熱中症による労働災害は深刻な状況にあります。
昨年、職場での熱中症による死傷者は過去最多となる1195人を記録し、死者数も30人と高止まりしています。
このような状況の背景には、労働者が初期症状を放置したり、企業側が適切な対応を怠ったりすることが挙げられます。
厚生労働省は、このままでは労働者の安全を確保できないと判断し、熱中症対策の義務化に踏み切りました。
義務化される具体的な対策
1熱中症の早期発見体制の整備
労働者が熱中症の自覚症状を感じた際や、同僚の異変に気づいた際に、速やかに報告できる体制を整備します。
報告先となる担当者や連絡先を明確にし、労働者へ周知します。
2. 熱中症の重症化防止措置の実施
熱中症による健康障害が生じる可能性のある作業について、以下の手順を事前に作成し、労働者へ周知します。
・作業の中止
・身体の冷却
・医療機関等への搬送
上記の措置を速やかに実施できる体制を整備します。
3. 関係労働者への周知
・上記1、2の対策内容を、関係する労働者全員に周知します。
・周知方法としては、研修、説明会、マニュアル配布などが考えられます。
罰則について
企業が義務化された熱中症対策を怠った場合、法人や代表者に対して「6か月以下の懲役」または「50万円以下の罰金」が科される可能性があります。
これは、労働安全衛生法に基づく罰則であり、労働者の安全を確保するための企業の責任を明確にするものです。
罰則の適用時期
厚生労働省は、2025年4月にも改正省令を公布し、同年6月の施行を予定しています。つまり、企業は2025年6月までに必要な対策を完了させる必要があります。
企業が今すぐ始めるべき対策
■社内体制の整備
①報告ルートの明確化
労働者が熱中症の症状を感じた場合や、同僚の異変に気づいた場合に、速やかに報告できる体制を整備します。
報告先となる担当者や連絡先を明確にし、労働者へ周知します。
②緊急時の対応マニュアル作成
熱中症が発生した場合の応急処置、医療機関への搬送手順などをまとめたマニュアルを作成します。
マニュアルは、全労働者が容易にアクセスできる場所に保管し、定期的に内容を見直します。
③熱中症の症状、予防方法、対処方法の周知
熱中症の初期症状、重症化した場合の症状、予防方法、応急処置などを、労働者に対して研修や説明会を通じて周知します。
特に、高温多湿な環境下での作業や、屋外作業に従事する労働者に対しては、重点的な教育を行います。
④定期的な研修の実施
熱中症に関する知識や対策を定期的に研修し、労働者の意識を高めます。
研修には、応急処置の実技訓練なども含めることが望ましいです。
■作業環境の改善
①通気性の良い作業服の導入
吸湿性や速乾性に優れた作業服を導入し、労働者の体温上昇を抑えます。
②休憩場所の確保
涼しく、風通しの良い休憩場所を確保し、労働者が適切に休息できるようにします。
休憩場所には、水分補給のための飲料水や、体を冷やすための冷却グッズなどを設置します。
③気化式冷風機などの導入
工場や倉庫など、広範囲の作業エリアを効率的に冷却できる気化式冷風機などの導入を検討します。
■健康管理
①水分・塩分補給の推奨
労働者に対して、こまめな水分・塩分補給を推奨し、必要に応じて経口補水液などを支給します。
②体調不良者の早期発見
労働者の体調変化に注意を払い、体調不良者が出た場合は速やかに対応します。
毎日の体調チェックや、定期的な健康診断などを実施することも有効です。
まとめ
これらの対策は、労働者の安全を守るために不可欠です。
企業は、義務化開始に向けて、早急に準備を進める必要があります。
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解決ファクトリーオンラインショップへ参考資料
厚生労働省「職場における熱中症予防対策」