火災保険で屋根修理できる？5分でわかる適用条件と申請方法

工場の屋根が雨漏りしていたり穴が空いていたりする場合、火災保険を使って修理できる可能性があります。ただし、保険が使えるのは火災や自然災害のときのみです。

本記事では、火災保険を使って屋根を使える条件や申請方法を詳しく解説しています。これから屋根工事を検討している方は、火災保険を使う際に後悔しないよう、ぜひ最後までお読みください。

屋根修理に火災保険が使える

火災保険と聞くと、火災による被害を補償するものというイメージが強いのではないでしょうか？火災保険とは火災だけでなく風災・雪災・雹災などの自然災害による建物の損害を補償する保険です。

なお、工場の屋根が自然災害で損傷した場合も、火災保険で修理費用を賄える可能性があります。

工場の屋根修理に火災保険が使えるケース

工場の屋根の損傷に火災保険が使えるケースを以下の表にまとめました。

火災保険が適用されるかどうかは、保険契約の内容や被害状況によって異なります。屋根の修理を希望する際は、現在入っている保険の条件を確認しましょう。

屋根の修理に火災保険が使える4つの条件

火災保険が適用されるかどうかは、保険契約の内容や被害状況によって異なります。屋根の修理を希望する際は、現在入っている保険の条件を確認しましょう。

火災保険が使える4つの条件

・風災に入っている
・自然災害による損害である
・被害から3年以内の修理である
・免責金額を超える修理費用が発生する

保険会社によっては適用の細かな条件が異なる場合もあります。不明な点は保険会社に直接問い合わせのがおすすめです。

風災に入っている

屋根修理に火災保険を適用するには、風災補償に入っている必要があります。
風災・雪災・雹災といった自然災害による損害は、契約内容によっては補償の適用外となるため注意が必要です。
ご自身の火災保険が風災に対応しているかを知るには、契約書で確認するか保険会社への問い合わせをしましょう。

自然災害による損害である

火災保険で屋根修理を行うには、自然災害による損害であることが必須条件です。

以下のようなケースは、火災保険が適用されません。

火災保険が使える4つの条件

・長年の雨風による腐食
・経年劣化による塗装の剥がれ
・築年数に応じた自然な劣化

少しでも屋根に異常を感じたり、屋根の損傷が自然災害によるものかどうかわからなかったりした場合は、速やかに専門業者に点検を依頼して判断しましょう。

被害から3年以内の修理である

火災保険の申請には、被害発生から3年間と期限が定められてめられています。

期限を過ぎてしまうと、たとえ自然災害による被害であっても、保険金は支払われません。後々、自己負担で修理することにならないように注意しましょう。

参考：事故が発生したときの契約者などの義務とは？｜損害保険Q&A Web版「そんぽ相談ガイド」

免責金額を超える修理費用が発生する

保険金が支払われるのは、修理費用が免責金額を超えた場合のみです。免責金額とは、修理費用の自己負担の金額です。

契約している保険によって免責金額は異なりますが、ほとんどの場合、20万円に設定されています。修理費用が20万円に満たないと、保険が適用されないので注意しましょう。

屋根の修理に火災保険を使うときの申請方法5ステップ

火災保険を使った屋根修理の申請方法を5つのステップに分けてご紹介します。

1.まずは保険会社へ連絡！火災保険を使うことを伝えよう

火災保険を使用する場合、保険会社に連絡し情報を伝えましょう。

・証券番号
・事故の日時
・事故の状況

被害状況を写真や動画で記録しておくと、説明しやすくなります。連絡の際は、落ち着いて正確な情報を伝えるように心がけましょう。

2.保険会社から書類が送られてくる

保険会社に連絡を入れると、申請に必要な書類が送られてきます。保険金に必要な書類は以下を参考にしてください。

・保険金請求書
・見積書
・現状の写真

3.見積書の作成を依頼する

屋根修理業者に見積もりを依頼しましょう。その際、火災保険を利用することを必ず伝えることが大切です。

4.揃えた書類を送付する

保険金請求書や見積書などの必要書類を保険会社に送付しましょう。郵送だけでなく、オンラインで提出できる場合もあります。

5.保険金額が決定してから修理をする

保険会社から金額の連絡が来るまでは、数週間～数ヶ月かかる場合があります。結果に納得できない場合は、再申請や異議申し立てをすることも可能です。
保険金額が決定してから、修理業者に依頼して屋根修理を始めましょう。

工場の屋根修理に火災保険を使うときの注意点

ここでは、工場の屋根修理に火災保険を使うときの注意点を解説します。
いざ屋根修理を行う際に後悔しないためにも、チェックしておきましょう。

あくまで現状復旧のみ

火災保険の目的は、被災前の状態へ戻すことです。
そのため、保険金で修理できる範囲は、被災した部分の現状復旧までとなります。断熱材の追加や最新の屋根への交換などは補償の対象外になることを理解しておきましょう。
ただし、保険金では賄えない費用を自己負担する場合は、現状復旧を超える修理や改良工事も可能です。

老朽化・修繕不足は適用外

経年劣化による老朽化や日頃のメンテナンスが不届きだった場合の損害は、火災保険の適用外となります。
たとえば長年の雨風による腐食や塗装の剥がれには適用されません。
火災保険を適切に利用するためにも、定期的に建物のメンテナンスを行うことが重要です。

悪質な業者が増加中

火災保険を使った屋根修理に関して、悪質なリフォーム業者の増加が問題となっています。

引用元：独立行政法人国民生活センター

彼らは、保険金請求を勧誘し、高額な工事費用を請求したり、不要な工事を行なったりします。

悪質な業者に騙されないためには、複数の業者から見積もりを取り、契約内容をよく確認することが重要です。少しでも不審に感じたら、消費生活センターに相談しましょう。

参考：「火災保険を使って実質的に無料で修理ができる」などとうたい、火災保険金を利用した修理工事契約を締結させる事業者に関する注意喚起｜消費者庁

工場の屋根修理の種類

工場の屋根修理は、被害状況や予算に応じて適切な修理方法を選択することが重要です。ここでは、代表的な屋根修理の方法を3つご紹介します。

雨樋や部分的な修理

「強風で雨樋が壊れた」「飛来物で瓦が割れた」といった、部分的な修理が必要なケースでは、火災保険を使って修理費用をすべて賄える可能性があります。
部分的な修理であっても、被害状況によっては屋根全体の修理が必要となることもあるので、専門業者に相談し適切な修理方法を選択しましょう。
部分的な修理を選択するメリットは、費用を抑えられる点です。しかし、根本的な原因が解決されていない場合、再発のリスクが潜んでいることを忘れてはいけません。

屋根全体を葺き替え

屋根全体を葺き替えるには、既存の屋根材を撤去し、新しい屋根材を葺く工事が必要です。屋根の劣化が著しい場合や、異なる材質の屋根材に変更する場合に適しています。
葺き替え工事では、雨漏りの箇所の特定や劣化部分の補修など、建物の構造部分を確認できます。結果的に建物の耐久性向上にもつながるでしょう。
一方で、現状維持にとどまらず、火災保険を利用しても自己負担が必要になる可能性があります。また、工期が長いこと、廃材が多く出ることなどがデメリットとして挙げられます。
火災保険の適用範囲については、保険会社によって判断基準が異なるため、事前に確認しておきましょう。

カバー工法（重ね葺き）

既存の屋根材を撤去せずに新しい屋根材を被せる方法をカバー工法（重ね葺き）といいます。 カバー工法は、全体の葺き替え工事と比較して費用を抑えられ、工期も短縮できるメリットがあります。また、廃材が出ないため環境にも優しい方法です。

火災保険を使う場合は、現状維持にとどまらないため自己負担が必要になる可能性があります。しかし、履き替えに比べると費用が少なくすみ、建物の寿命も延ばすことができます。メンテナンスの頻度も少なくすむため、将来的に長く建物を使いたい方におすすめな方法です。

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