2022年版 安全衛生活動の目標の立て方、計画のポイントを解説!具体例もご紹介!

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工場の生産性の向上や安定した事業の継続のために、積極的に取り組んでいきたいのが安全衛生活動です。
目標は決まっていても、具体的に何をすれば良いのか明確に設定されていないことが一因となり、労働災害につながるといったケースが少なくありません。

安全衛生活動の鍵は、「いつまでになにをするか」といった具体的な目標・年間計画を作り、働くスタッフに浸透させることにほかなりません。個人が自分ごととして自覚を持つことで初めてチームから組織、そして全社一体となって取り組み、労働災害を減らすことができるからです。

今回は、安全衛生管理の目標とはどんなものか、目標を達成するために押さえておきたい実施項目についてお話しします。実施目標の具体例にも焦点を当ててお話しします。

安全衛生管理の目標とは?

安全衛生管理目標とは、職場の安全を守るための活動を推し進めるために設定する項目のことです。目標達成を客観的に判断するために「労働災害を○%削減」など具体的な数字を掲げる必要があります。
目標に数値が掲げられていない場合、労働災害削減に向けて何をどう対策すべきか曖昧で、目標を達成できたかどうかの判断もつきにくくなります。

さらに、目標を設定するのと同時に、目標達成に向けて必要なアクションを考える必要があります。

安全衛生管理計画書とは

安全衛生活動を実施する際の年間の計画書が「安全衛生管理計画書」で、労務安全書類の一つです。
工業的業種や非工業的業種、建設業などの業種に沿って、安全衛生管理の方針と管理目標、重点実施事項などを記載します。

安全衛生管理目標の例

  •  職長教育、雇入れ時教育を100%実施する
  •  安全ルールの遵守率を80%以上とする。
  •  定期健康診断の受診率100%以上
  •  4S活動を推進する
  •  ヒヤリハット事例を1人1件以上提出する

上記を始め、数値を入れてより明確に表現しています。

安全衛生管理計画書の必要性

職場における事故や災害を防いで、労働者の安全と健康の増進に努めるのは事業者の責務です。
(労働安全衛生法第3条他)

ですが、実際に何を実行すれば安全や健康が増進できるのかについては、企業の規模や各々が持つ事情によっても異なりますので、一律に制定することは困難です。

安全衛生活動を具体的に実行し向上させるため、厚生労働省は「労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)」の構築についての指針を示し、事業者へ広く導入を勧めています。

労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)は、「安全衛生計画」の作成(Plan)、実施(Do)、評価(Check)、および改善(Act)が中心になっています。
そして、安全衛生水準の向上には「計画」が重要であることが明確に示されています。

積極的に労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)を導入し、安全衛生管理計画書を作成・実施した事業所で、実際に労働災害がゼロになったという事例も報告されています。

また、各都道府県の労働局でも安全衛生計画書の作成を勧めていて、労働基準監督署が事業者に対して安全衛生管理計画書の提出を求めることもあります。
安全衛生管理計画を作成・実施することは、自社が積極的に安全衛生の向上に取り組んでいることの証明にもなります。

参考:「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」(厚生労働省)

安全衛生管理計画書の作成と活用の流れ

  1. 1. 現状の把握
  2. 2. チェックシートの作成
  3. 3. 安全衛生計画書の作成と実施
  4. 4. 安全衛生計画書の評価と改善

安全衛生管理計画書を作るには、まずは現状の把握が必要です。
チェックシートの作成などで、問題点など漏れなく正確に把握するが事大切です。
これに基ずいて安全衛生管理計画書を作成〜実施となります。
安全衛生管理計画書は1年間の計画なので、各年で計画の評価と翌年に向けての改善点を検討しましょう。

参考にしたい重点実施事項

労働災害を防ぐ目標を達成するために重要な実施事項について触れておきます。
安全衛生管理目標達成のための施策として、自社に置き換えて実行してみましょう。

  •  災害発生時の4M分析の実施
  •  チョコ停とヒヤリハットの推進
  •  職場巡視・パトロールのレベルアップ
  •  作業マニュアルの更新・安全ポイントの追加
  •  異常時措置基準の制定と見直し

災害発生時の4M分析の実施

4M分析とは、

  • 災害(ケガ)発生時の調査分析を災害を起こした作業者の不安全行動 (Man)
  • 設備・装置の不安全状態 (Machine)
  • 背景になる作業方法等(Media)
  • 管理体制等(Management)

これら4つの要因を解析し、再発防止対策に結び付ける手法です。
災害発生時に4M分析を確実に実施することで、災害発生防止だけでなく、職場の標準化や管理体制の強化等、相乗効果も期待できます。

チョコ停とヒヤリハットの推進

設備の不調等により停止することをチョコ停(チョコット停止するの意味)と言います。
チョコ停の提案や報告を受け、改善活動を実施することによって、職場の安全性が高まり、品質向上、生産性向上に役立ちます。

「1件の重大災害の裏には、29回の軽傷災害、傷害の無い事故が300回起きている」と言うハインリッヒの法則解析結果に基づく法則が「ヒヤリハット」です。
現場で働く作業者が体験したヒヤリハットを報告して、管理監督者がこれを排除し、不安全状態や不安全行動を無くして、未然に災害の発生を予防します。
対策が出来ない理由を含めて提案者である個人やグループにフィードバックする事により、感受性に働きかけ、安全意識の向上を促します。


職場巡視・パトロールのレベルアップ

どこに災害の起こる要因があるのか、どの様な不安全行動が起こるのか、不安全行動の背景はどこにあるのか等の視点で職場巡視することで、より細かな点にも目配り、気配りができるようになり、安全衛生管理活動のマンネリ化を防ぎます。
丁寧なパトロールを実施し、そこで気付いた指摘事項を改善することにより、災害の起こりにくい職場へと変化します。


作業マニュアルの更新・安全ポイントの追加

マニュアルに作業のやり方を記載するだけでなく、品質保持の上で気を付けたいポイント、安全上の留意点を折り込むことで、新入社員等の教育にも活用できます。
また、ノウハウの共有、生産技術の伝承にも役立ちます。
安全上、品質上のポイントを記載する活動を、マニュアルの見直しの時期に計画的、定期的に行うことで、より生きた資料となり、安全衛生管理目標の達成に役立ちます。

異常時措置基準の制定と見直し

異常は設備事故や、災害への予兆現象です。
速やかに対応し正常化することで、故障や怪我を未然に防ぐことができます。

  • 異常音が聴こえたら、設備を停めて、上司に連絡して対処する等を決めておく。
  • 電気、水道等が停止した場合、地震等が起こった場合、どこのバルブを閉めて、どの電源を切って上司に連絡して対応する等を決めておく。

などの措置基準が、安全衛生活動の中で大きな役割を果たします。
異常時措置基準は手順書・基準書として定めるだけでなく、定期的に想定訓練をして内容を見直し、実際に措置を行った場合にも適切であったかなど検証し、見直す必要があります。

まとめ

  • 安全衛生管理目標とは、安全衛生管理全般で達成する目標である。
  • 目標を設定するのと同時に、目標達成に向けて必要なアクションを考える必要がある。
  • 安全衛生管理計画書は、安全衛生活動を実施する際の年間の計画書で、労務安全書類の一つである。
  • 安全衛生計画を作成・実施することは、事業者の責務であり、自社が積極的に安全衛生の向上に取り組んでいることの証明にもなる。

今回は、安全衛生目標の設定、計画の作成、実施項目の重要性についてお話ししました。
現場では、安全衛生目標達成のために、何に目を向けて行動を習慣化していくかが課題となります。
自社の安全衛生目標は何か?
現場の状況に則したものになっているか?
そしてその目標達成のために、個人が自覚をを持って行動しているか?

今一度「安全」の確保のため振り返ってみましょう。

 

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