LPガス発電機のデメリット・メリットとは? 導入前に知っておきたいリスクと対策

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災害時や緊急時に、生産ラインや施設の電源を止めたくない。と考えている事業者はとても多いです。

LPガス発電機は、非常時の電力供給手段として多くの施設で導入が進んでいます。しかし、LPガス発電機にはデメリットもあることを忘れてはいけません。

この記事では、LPガス発電機の基本的な仕組み、デメリットや対策方法、メリットについて詳しく解説します。記事の後半では、具体的な選定方法や補助金を活用した費用軽減策も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

LPガス発電機は代表的な非常用発電機

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LPガス発電機は、プロパンやブタンを主成分とする液化石油ガス(LPガス)を燃料とし、発電する装置です。通常、緊急時や停電時のバックアップ電源として使用されます。

LPガス業界では、大規模災害時に備えて燃料供給の安定確保を図るための取り組みが行われています。「LPガス業界における大規模災害の取組について 」では、災害時にLPガスを活用する方法が記載されています。LPガスは備蓄や供給体制の強化が進められており、災害時にも迅速に燃料供給が可能です。

LPガス発電機は、ガスを燃焼させて得られる熱エネルギーを利用し、発電機を駆動させます。燃焼過程で発生する熱は高効率で電力に変換され、CO2などの排気ガスが少ない点が特徴です。

東日本大震災以降は、商業施設や病院などでLPガス発電機が導入されており、災害時の電力供給に貢献しています。今後も工場などで緊急時のバックアップ電源や、地域の避難所で活躍することが予想されます。

工場の災害対策については、以下の記事でも詳しく解説しています。
自然災害のリスクから事業を守るには? 被害実例と防災対策を徹底解説!
特集:工場倉庫の災害対策・防災対策

LPガス発電機の3つのデメリット

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LPガス発電機は燃料の取り扱いがしやすく、今後期待されていますが、デメリットにも注意が必要です。デメリットを把握しておくことで、発電機の導入検討がスムーズにできます。ここでは導入前に知っておくべき3つのデメリットを紹介します。

メーカーやラインナップが少ない

LPガス発電機は市場でのシェアが比較的小さく、対応機種が限られています。特に、東日本大震災以降に需要が高まったため、参入メーカーが少なく選択肢が少ない点がデメリットです。

LPガス発電機の出力は、8kVAから50kVAの範囲が一般的で、ディーゼル発電機のように幅広い出力に対応していないことが多いです。LPガス発電機を導入する際は、ラインナップが多いメーカーを選定し、希望の出力に合う機器を選定する必要があります。

価格がやや割高

LPガス発電機は他の発電機に比べて価格が高い傾向があります。メーカーや機種のラインナップが少ないため、コストが高くなってしまいます。設置場所や必要電力によっては、対象機器がなく特注扱いになってしまうケースも珍しくありません。

一方で、ディーゼル発電機はラインナップが豊富で、取り扱っているメーカーや生産台数が多く、初期導入コストは安く抑えられます。LPガス発電機を導入する際は、補助金の活用など初期費用を安く抑える工夫が必要です。

定期的なメンテナンスが必要

定期的なメンテナンスが必要な点も、LPガス発電機のデメリットです。消防法では年に2回の保守点検が義務付けられており、電気事業法では自家発電機に対し年に1回の保安検査が必要とされています。

発電機のメンテナンスは多くの場合、専門業者に依頼する必要がありコストがかかることも覚えておきましょう。定期的なメンテナンスコストと時間が発生しますが、信頼性を保つためには必ず実施しなければなりません。

発電機の定期点検については以下の資料で詳しく解説されています。
自家発電設備の点検改正に伴うリーフレット(総務省)

【解決策】LPガス発電機のデメリット対策

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LPガス発電機にはデメリットがありますが、それぞれ解決するための対策も存在します。適切な対策を知っておけば、デメリットも安心して対処可能です。ここからは、LPガス発電機のデメリットに対する解決策をそれぞれ紹介します。

ラインナップが多いメーカーを選ぶ

LPガス発電機を選定する際は、ラインナップが多いメーカーを選ぶことがデメリットの解決策です。対応機種のラインナップが多いメーカーを選ぶことで、ニーズに合った機種を見つけやすくなります。

日本ではLPガス発電機に参入しているメーカーはまだ少ないですが、海外ではガス発電機の需要が高く製造しているメーカーも多いです。なかでもGENERACは豊富なラインナップを用意しているメーカーとして世界的に有名です。

GENERACのように幅広い機種のガス発電機を提供しているメーカーを選べば、ニーズに応じた選択ができます。GENERACの詳細はこちらのパートでも解説しています。

BCP対策で補助金を活用する

LPガス発電機の導入コストが高いデメリットには、補助金の活用が有効です。発電機の導入には、BCP対策として補助金が利用できる場合があります。

令和5年度補正予算や令和6年度の自衛的燃料備蓄補助金 が代表的な例です。補助金を上手に利用することで、経済的負担を軽減しながら発電機を導入して、緊急時に適した準備ができます。

上記以外の補助金や助成金制度の紹介や、何からしていいかわからない場合は「補助金助成金 申請代行サポート」の利用もおすすめです。相談だけなら無料なので、まずはお気軽に問い合わせしてみてください。

信頼できる専門のメンテナンス業者に依頼する

LPガス発電機のメンテナンスは難しいと思われがちですが、専門の業者に依頼することで安心して運用できます。専門のメンテナンス業者に依頼することで、定期点検や緊急対応が確実にスムーズに行えます。

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GENERACの設備なら、NECの関連企業と提携し「監視」「点検」「修理」のフルメンテナンスサポートを受けることも可能です。信頼できる業者にメンテナンスを依頼することで、不安を解消し長期間にわたって安定した運用が実現できます。

デメリットだけじゃない!LPガス発電機の5つのメリット

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LPガス発電機は、燃料にLPガスを使用しているため多くのメリットもあります。LPガスは「Liquefied Petroleum Gas」の略で、日本語では「液化石油ガス」とも呼ばれます。

特に東日本大震災以降に注目が高まっているのが、LPガスの災害への強さです。ここでは、LPガス発電機のメリットを5つ紹介します。

燃料の保管が容易

LPガス発電機のメリットは、燃料のLPガスが劣化しにくく、長期保管が可能な点です。LPガスは気体燃料のため、ボンベに充てんされます。空気に触れることがなく、約20年は品質を保持したまま保管できます。

ディーゼル燃料とは異なり、LPガスはガス事業者が管理してくれるため、ユーザーの負担が少ない点も魅力です。長期的に燃料の安定供給ができ、緊急時にも対応しやすいため、LPガスが注目されています。

災害時にも燃料が供給しやすい

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(出典)LPガス業界における大規模災害の取組について(全国LPガス協会)

LPガス発電のメリットとして、災害時に燃料供給が容易な点も挙げられます。LPガスは災害時に配管などのライフラインが途絶えても、タンク車などで供給が可能です。

東日本大震災の際に他の燃料と比べて、迅速に復旧したことが明らかになっています。LPガス発電機は、災害時でも安定供給できる燃料を使用しているので、非常用発電機として安心して運用できます。

振動と騒音が小さい

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(出典)振動・騒音・悪臭の防止(栃木県庁)

LPガス発電機は、ディーゼル発電機に比べて運転時の振動・騒音が小さい点もメリットです。ディーゼル発電機は、構造的にピストン運動のため、エンジン音と振動が大きい特徴があります。LPガス発電機の場合は、タービンによる軸回転のため、振動と騒音が比較的抑えられます。

GENERACの発電機は平均して約61dB(A)であり、静音性に優れている機種が多いです。現場での騒音や振動は、周囲の苦情やメンテナンスのしやすさにも影響します。振動と騒音が小さい発電機を選ぶことは、作業環境の面でも非常に重要です。

機械音や振動音が心配な場合は、塗るだけで振動音が低減できる「サイレントランニング」といった商品もおすすめです。サイレントランニングについては以下のページで詳しく紹介しています。

振動音低減材 サイレントランニングSR1000塗装施工

クリーンエネルギーで環境にやさしい

LPガス発電機に使用しているLPガスは、燃焼効率が高く、CO2やNOxなどの排出が少ないクリーンなエネルギー源です。LPガスは、家庭やレストランなどの業務用から、工業用、自動車用の熱源としても使われています。LPガス発電機の導入により、環境に配慮したエネルギー供給が可能です。

ピークカットに活用できる

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LPガス発電機は非常用だけでなく、ピークカットにも活用できる点が大きなメリットです。ピークカットとは、工場や事業所などの電力需要が多い時間帯に、自家発電機で電力を供給することで、電力の最大値(ピーク値)を下げることです。

ピークカットに活用することで、工場や事業所の契約電力を下げ、電力料金を節約できます。LPガス発電機を有効活用すれば、運用コストを抑えつつ、効率的なエネルギー管理が可能です。

失敗しないLPガス発電機を選定する方法

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LPガス発電機はデメリット以上のメリットが多くあることを解説しました。LPガス発電機に興味があるものの、選定方法を間違ってしまう人も多く見られます。

ここでは、LPガス発電機を選定する際に重要な、以下の4つのポイントを紹介します。

・ディーゼル発電機との違いを知る
・必要電力を計算する
・設置場所を検討する
・納入後のメンテナンスサポートを確認する

LPガス発電機を正しく選定すれば、LPガス発電機の特性を活かし、災害時や緊急時の心強いインフラ対策になります。

ディーゼル発電機との違いを知る

LPガス発電機を選定する際は、ディーゼル発電機との違いを理解しておきましょう。LPガス発電機とディーゼル発電機の違いを理解することで、LPガス発電機の長所と短所がわかり適切な選択ができます。

LPガス発電機とディーゼル発電機の違いを以下の表にまとめました。

項目LPガス発電機ディーゼル発電機
燃料プロパンやブタンを主成分とする液化石油ガス(LPガス)軽油(ディーゼル)
燃料の管理簡単
(ガス事業者が管理してくれる)
やや大変
(所有者による管理が必要)
燃料の安全性燃料の取り扱いには注意が必要引火点が高く、取り扱いが比較的安全
環境性能CO2:少ない
SOX:排出しない
排気:無色透明
CO2:多い
SOX:排出する
排気:黒煙
初期導入コストやや高め比較的低め
メンテナンス性燃焼がクリーンなためメンテナンスが容易すすや汚れが発生しやすく、定期的な清掃が必要
振動・騒音振動が少なく比較的静か振動・騒音が大きい
使用環境家庭用や小規模な商業施設、緊急時のバックアップ電源大規模な工場や建設現場、長時間の運転が必要な場合

LPガス発電機は環境にやさしく、燃料の取り扱いが容易です。ディーゼル発電機は大容量の出力が可能な一方で、環境性能やメンテナンスが困難な特徴があります。

LPガス発電機とディーゼル発電機の違いを理解し、適切な発電機を選定してください。

必要電力を計算する

LPガス発電機を選定する際には、必要な電力を正確に計算することも重要です。適切な電力を確保することで、災害時にも安定した電力供給が可能になります。

必要電力を計算する際は、以下のポイントに注意してください。

・消防法や建築基準法に基づいて必要電力を測定する
・緊急時に必要な電力のみを選定し計算する
・電力計算には余裕を持たせる

発電機の導入目的をしっかり把握し、急な需要増加にも対応できるよう計算することが大切です。必要電力の正確な計算は、発電機の選定において欠かせません。

設置場所を検討する

設置場所の検討もLPガス発電機の導入検討で重要なプロセスです。発電機の設置場所は、配電設備までの距離や、振動・騒音・排気の影響を考慮して選定する必要があります。

適切な場所を選ぶことで、効率的な運用が可能となり、近隣への影響も最小限に抑えられます。場合によっては、基礎工事が必要となることもあるので注意してください。設置場所の検討は、発電機の効率的な運用と環境への配慮に不可欠です。

納入後のメンテナンスサポートを確認する

納入後のメンテナンスサポートを確認することは、LPガス発電機の選定において重要です。発電機の導入後には、定期的なメンテナンスが必要になります。

はじめてLPガス発電機を導入する際は、専門業者による点検サービスを利用することで、長期的な信頼性と安全性を確保できます。事前にメンテナンスサポートの内容を確認し、信頼できる業者を選定しましょう。メンテナンスサポートの確認は、日々の業務の負担を減らし、発電機の信頼性を高めるためにも重要なステップです。

補助金も使えるおすすめのLPガス発電機メーカー

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LPガス発電機メーカーとして1社紹介するとしたら、GENERACが圧倒的におすすめです。GENERACはアメリカで初めて発電機用エンジンを開発した企業です。家庭用、商業用、工業用など、幅広い市場に向けて発電機を生産しています。

GENERACの特徴は以下のとおりです。

・多彩なラインナップ
8kVAから50kVAまでの幅広い出力範囲の発電機を提供。
・静音設計
一般的に運転音が61dB(A)と非常に静かで、都市部や住宅地でも使用可能。
・クリーンエネルギー
LPガスを使用することで、ディーゼル発電機に比べて排出ガスが少なく環境にやさしい。
・抜群のメンテナンス性
NECフィールディング㈱との提携により、全国即時対応が可能。

GENERACは多様な機種ラインナップを持ち、小規模の商業施設や工場から大規模の施設でも利用可能です。高効率で環境に配慮した設備なため、補助金の活用で初期導入費用を抑えられるのも嬉しいポイント。

GENERACは次のような人にぴったりな発電機です。

・非常用電源を探している
・災害時のBCP対策を強化したい
・クリーンエネルギーを使用して環境負荷に貢献したい
・周囲に住宅地があり、騒音や排気ガスの少ない発電機がほしい

LPガス発電機なので、ディーゼル発電機に比べて導入コストはやや高いですが、補助金活用サポートもあるので、安心して導入を検討してください。

GENERACの発電機は、高性能かつ環境に配慮した発電機として、万が一のときに信頼性を求める方に最適です。詳細については、こちらのページでも詳しく紹介しています。

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LPガス発電機で災害時のインフラを強化しよう

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LPガス発電機は、災害時の電力供給において非常に有効な手段です。クリーンで静音性が高く、燃料の保管や供給も容易なため、多くの施設での導入が進んでいます。

LPガス発電機のデメリットとしては次の3つが挙げられます。

・メーカーやラインナップが少ない
・導入コストがやや高い
・定期的なメンテナンスが必要

上記のデメリットを全て解決するメーカーがGENERACです。LPガス発電機を導入する際には、必要な電力や設置場所、メンテナンス体制を十分に考慮してください。補助金の活用で経済的な負担も軽減可能です。

信頼できる発電機を選ぶことで、災害時のインフラを強化し、社会的貢献や企業価値を高めましょう。

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