面白い!目を引く!意識を高める工場の安全標語とは?

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工場における事故災害防止には、安全に関する規則の遵守、防災訓練の実施など様々な施策がありますが、安全標語を設ける方法も非常に効果的です。
安全標語とは、従業員や関係者の安全に対する意識を高めるために設ける「スローガン」です。
全国安全週間や、全国労働衛生週間など、厚生労働省と中央労働災害防止協会の主唱による行事でも、必ずその年度の安全標語が掲げられています。
今回は、そんな「安全標語」について、標語の作り方、わかりやすくて目を引く、面白い安全標語の例などを、ご紹介します。

安全標語はなぜ必要か?

従業員の安全を脅かし、時には事業の存続にも影響する労働災害は、何としても防がなければなりません。
しかし、どんな業種でも作業や職場環境に慣れてくると、油断して事故が発生する可能性は必ず高くなっていきます。
特に工場では、「慣れ」によるうっかりミスが、致命的な事故を引き起こす場合があります。

こういったアクシデントを未然に防ぐためには、全ての従業員が「安全」に対する高い意識を持ち、維持し続けることが重要です。
そのためにはまず、安全の大切さに目を向け、注意喚起を図ることから始めなければなりません。

ここで必要になってくるのが安全標語の導入です。
安全講習や訓練などは毎日行えませんが、簡潔な短い言葉からなる安全標語なら、目で見る、声に出して読み上げるなど、いつでも個々の安全意識に働きかけることが可能です。
多くの工場では、始業時に「安全標語」を声に出して読み上げる、目につきやすい場所に掲示するなどして、安全意識の維持向上に努めています。
また、工場全体の安全標語を設ける以外に、 「私は安全を守ります」など個人の安全標語を設けて、
個人のヘルメットなどに貼るケースもあります。
これを他の人が目にすることで、見た人の安全に対する意識をも高める効果が期待できるからです。

このように、日常的に、広く従業員の安全意識に働きかけることのできる安全標語は、工場などの製造業以外にも、輸送業、建設業、サービス業など、多くの業種で設けられています。

上手な安全標語のつくり方

安全標語は、工場で仕事をする人が事故を起こしたり、怪我をしたりなどの労働災害が発生しないように注意を促すためのものです。

「自社の安全」について、一般論や漠然とした捉え方でいると、安全標語そのものが抽象的になり、従業員がピンと来ない、行動にしにくいといった結果に終わってしまいます。

安全標語を設けるときは、従業員に注意して欲しいことを明確にしておくことが欠かせません。
また、読んだときにリズムを良くしたり、インパクトのある単語を使ったりすることで憶えやすくなり、注意を促すことに繋がります。

ここからは、安全標語設定の方法、コツをご紹介します。

具体的な行動や場面をイメージできるようにする

安全標語は、日常の現場における「アククション」や「シーン」が、スッと浮かんでくるような簡単明瞭な表現が大切です。

実際に起こったこと、従業員が感じていることなどを挙げて、リアルな表現を心がけましょう。

思い込み、確認不足が事故になる

この標語では、慣れや思い込みで安全確認を怠ると事故が起こるので、省略せずにしっかり確認しようということがわかります。

『危なかった』は赤信号 つみとろう職場に潜む危険の芽

これは、第69回全国安全週間(平成8年度)のスローガンです。

誰もが体験したことのある「ヒヤリハット」を赤信号に例えて、危険を無くすための改善行動を「芽を摘む」をいう言葉で表わしています。

「ゼロ災」「災害ゼロ」のフレーズを用いる

工場の安全標語としては、比較的馴染みのある「ゼロ災」「災害ゼロ」の言葉を入れると、より伝わりやすくなります。

災害ゼロから危険ゼロへ みんなで築こう新しい安全文化

第73回全国安全週間(平成12年度)のスローガン

新たな時代に PDCA みんなで築こう ゼロ災職場

第92回全国安全週間(令和元年度)のスローガン

スポーツ用語やカタカナ語などを用いる

イエローカード、ゴールなど、スポーツ用語の活用も効果的ですが、この場合、現場の年齢層などを考慮して、誰もが理解できる用語を選択することが大切です。
日本語だと重くなりがちな表現は、カタカナ語を用いる事も効果的です。

めざすゴールは危険ゼロ 進めよう職場の安全管理

第75回全国安全週間(平成14年度)のスローガン

業界に適した言葉を用いる

工場の安全標語では、その業界に適した言葉を入れることで、受け入れやすく、より印象に残りやすくなります。
例えば、工場=製造というところから「製品をつくる=安全もつくる」など、「つくる」というワードを使用して、安全維持は自然にできるものではなく、自主性と努力が欠かせぬことを再度意識させるなどです。

安全標語の社内公募

安全標語や安全スローガンをを社内で募集している企業や事業所も多くあります。
「社内で募集したところで良い標語は出こないのでは?」とか、「公募しても従業員が興味を示さないのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうとも限りません。

安全標語を「考える」ということ自体が、それだけで従業員の「安全について考える機会」となり、各々の身近にある危険を再発見・再認識するきっかけになります。
また、標語やスローガンは作った人の意図や思考が反映されるので、従業員の考えがわかったり、隠れていた現場の問題を発見したりなど、業務改善に役立つことが期待されます。

企業によっては、公募した安全標語を自社のホームページで公開しています。
こういった活動が、自社の安全に対する意識の高さを表すとともに、企業の信頼獲得にもつながります。

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テーマを決めて募集する

社内で安全標語を募集する場合は、まず募集するテーマを決めると良いでしょう。

  • ・労災ゼロを目標にした安全衛生
  • ・手洗いうがいなどの個人衛生
  • ・定時退社や働きやすい職場などの働き方改革

など、テーマも具体的でわかりやすいことが大切です。

また、ただ単に募集するのではなく、優秀な標語を選んで発表〜表彰する、月替わりのスローガンにするなど、参加意欲を高める工夫も必要です。
採用、不採用にかかわらず、他の従業員の作品も閲覧できるようにしても面白いでしょう。

参考にしたい過去の「安全標語」

厚生労働省「全国安全週間」スローガン

全国安全週間は、労働災害防止活動の推進を図り、安全に対する意識と職場の安全活動のより一層の向上に取り組む週間です。
昭和3年に第1回が実施されて以来、継続して実施されています。

ここでは、過去10年間の安全標語をご紹介します。

平成24年 ルールを守る安全職場  みんなで目指すゼロ災
平成25年 高めよう 一人ひとりの安全意識 みんなの力でゼロ災害
平成26年 みんなでつなぎ 高まる意識 達成しようゼロ災害
平成27年 危険見つけてみんなで改善 意識高めて安全職場
平成28年 見えますか? あなたのまわりの 見えない危険 みんなで見つける 安全管理
平成29年 組織で始める安全管理 みんなで取り組む安全活動 未来へつなげよう安全文化
平成30年 新たな視点でみつめる職場 創意と工夫で安全管理 惜しまぬ努力で築くゼロ災
令和元年 新たな時代に PDCA みんなで築こう ゼロ災職場
令和2年 エイジフレンドリー職場へ! みんなで改善 リスクの低減
令和3年 全員で 目をかけ 声かけ 意識して 目指そう安全・健康職場

中央労働災害防止協会「安全衛生標語」

中央労働災害防止協会(中災防)は、働く人の安全と健康の確保をめざし、労働災害のない安全で快適な職場づくりを呼びかける「安全衛生標語」毎年募集しています。

ここでは、過去10年間の安全衛生標語をご紹介します。

平成25年 安全が 最優先の我が職場 仲間を守る 家族を守る
平成26年 安全意識は命綱 しっかり締めて 目指そうゼロ災
平成27年 守ります!健康管理と安全確認 笑顔ひろがるゼロ災職場
平成28年 健康と安全チェックが 作業の基本 しっかり守って ゼロ災職場
平成29年 快適な職場に響く合言葉 「健康・安全・ゼロ災害」
平成30年 健康な心と体で安全作業 目指すは笑顔の無災害
平成31年 健康・安全 スクラム組めば みんなで実現 ゼロ災職場
令和2年 健康安全 意識を高め 目指せゼロ災金メダル
令和3年 健康と安全作業を積み重ね 築くゼロ災 みんなの誇り
令和4年 全員で 目をかけ 声かけ 意識して 目指そう安全・健康職場

出典:歴代の年間標語|中央労働災害防止協会ホームページ

面白い安全標語

厚生労働省の「あんぜんプロジェクト」2011年の安全標語の中から、面白い安全標語をピックアップしました。
面白さだけでなく、リズム感、インパクトなど、安全標語づくりの参考になります。

マンネリ化 あなたの心が 危険物
『ミス』はうっかり!『チェック』は、しっかり!!
まだ大丈夫は もう危険
新人に仕事教えるベテランは おこる声よりほめる声
急ぐな、せかすな、安全作業
テンパらず、あせった時ほど ひと呼吸
ちょっと待て それでいいのか 再確認
思い込み 「だろう」作業は やっちゃダメ!!

出典:2011年度 安全標語|厚生労働省「あんぜんプロジェクト」ホームページ

まとめ

  • 安全標語とは、従業員や関係者の安全に対する意識を高めるために設けるスローガンである。
  • 安全標語の設置は、従業員や関係者に対して、いつでも個々の安全意識に働きかけることが可能である。
  • 安全標語を設けるときは、従業員に注意して欲しいことを明確にしておくことが大切である。
  • 安全標語の公募は、従業員の「安全について考える機会」となり、各々の身近にある危険を再発見・再認識するきっかけになる。

今回は、安全標語にについて、その意義やつくり方考え方をお話ししてきました。
労働安全に関す標語は、交通安全に関する安全標語に比べて、飛び抜けて面白い!といった標語は多くありませんが、自社で公募または考案する場合には、個性的な表現、面白い安全標語が生まれる可能性は大いにあります。
安全標語やスローガンは、掲示するだけでなく「作る」「考える」プロセスにも、安全意識を高める効果がありますので、安全標語の公募や安全標語作成プロジェクトを設けるなど、工場の安全対策、防災対策の一環として取り組む価値があると言えるでしょう。

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