少子高齢化の波は、日本のあらゆる産業に影響を与えており、製造業も例外ではありません。特に、工場における人手不足は深刻化しており、企業は生産性の維持・向上のために、新たな人材戦略を積極的に打ち出す必要性に迫られています。
実際に厚生労働省が発表している2024年版のものづくり白書によると、中小企業における産業別従業員数過不足DI※は、2023年にはマイナス20.4と人手不足が広がっています。
△18.2(2019)→1.1(2020)→△9.2(2021)
→△19.0(2022)→△20.4(2023)
そこで注目されているのが、女性や高齢者など、これまで製造業の現場であまり活躍の場がなかった層の活用です。しかし、従来の工場の職場環境は、必ずしも女性や高齢者にとって働きやすいものとは言えませんでした。
本記事では、女性や高齢者が活躍できる工場の特徴について紹介します。さらに、これから女性や高齢者の雇用を促進していきたい企業ができる施策についても紹介しますので、ぜひご覧ください。
目次
女性や高齢者が活躍できる工場の特徴とは?
厚生労働省は、女性の就業率は上昇しているものの、約161万人の女性が就業希望者として働けていない現状から女性活躍推進法を制定しています。また、改正高年齢者雇用安定法が令和3年4月から施行され、70歳までの就業確保措置を講じることが「努力義務」となったことに伴い、再就職援助措置・多数離職届等の対象が追加されています。
では、女性や高齢者がいきいきと活躍できる工場とは、どのような特徴を持つのでしょうか?
1. 柔軟な勤務体制の導入
家事や育児、介護などの事情を抱える従業員にとって、時間に融通が利く勤務体制は大切です。シフト制や時短勤務、在宅勤務などを導入することで、ワークライフバランスを維持しやすくなり、従業員のモチベーション向上や離職率の低下につながります。
具体的には以下のようなケースです。
・介護が必要な家族がいる従業員のために、介護休暇制度や時短勤務制度を充実させる
柔軟な勤務体制を導入することで、従業員側の選択肢も広がり働きやすい環境が作れます。
2. 安全対策の徹底
女性や高齢者は、体力的な面で男性よりも配慮が必要となる場合もあります。職場環境の安全性を高めることは、従業員が安心して働ける環境を作るだけでなく、企業にとっても労働災害のリスクを減らすことにつながります。
・工場内の通路を広く確保し、段差をなくすことで、歩きやすい環境を作る
・重量物の持ち上げ作業には、補助器具を導入する、あるいは作業工程を複数人で分担するなど、身体への負担を軽減する
・工場内の照明を明るくし、見やすい表示や標識を設置することで、作業中のミスや事故を防止する
女性や高齢者に限らず、安全対策を徹底させることは従業員を守るために必要です。
3. コミュニケーションの活性化
年齢や性別に関係なく、風通しの良い職場環境を作ることは、従業員のエンゲージメントやチームワークの向上につながります。
・チームで定期的に意見交換会を実施し、互いの意見やアイデアを共有する場を設ける
・新入社員に対しては、年齢の近い先輩社員がメンターとなり、仕事や職場環境に慣れるまでサポートするメンター制度を導入する
・従業員が気軽に相談できる窓口を設け、ハラスメントなどの問題にも適切に対応できる体制を整える
年齢や性別に関係なく、社員同士のコミュニケーションが活性化する職場では従業員の満足度もアップします。
4. 体力的な負担軽減
重量物の運搬など、身体的な負担が大きい作業は、女性や高齢者にとって大きな負担となります。作業環境や工程を見直し、身体への負担を軽減するための設備投資を行うことは、従業員が長く健康に働き続けるために欠かせません。
・パワーアシストスーツを導入して、重い荷物を持ち上げる際の腰への負担を軽減する
・作業台の高さを調整できる設備を導入することで、従業員一人ひとりの体格に合わせた作業環境を実現する
・作業を細分化し、複数人で分担することで、一人当たりの負担を軽減する
体力的な負担が大きいと継続して働き続けることが難しくなります。なるべく体力的な負担を減らせるような対策をとるようにしましょう。
次の章では、体力的な負担となってしまいやすい重量物の運搬における課題について深堀して解説します。
重量物運搬における課題
特に、重量物を取り扱う工場では、身体的な負担が大きいため、女性や高齢者にとって大きなハードルとなる可能性があります。例えば、20kgの原料が入った袋を運搬する作業を想像してみてください。
・腰痛や肩こりなどの身体的な不調につながるだけでなく、最悪の場合、重度の怪我につながる可能性も否定できません。
このようなリスクを軽減し、女性や高齢者でも安心して働ける環境を作るためには、重量物運搬の負担を軽減するための対策が必須となります。
重量物運搬の課題解決のカギは電動台車
重量物運搬の負担を軽減し、女性や高齢者でも働きやすい環境を実現するために有効な手段の一つが、電動台車の導入です。
「エネライド」と「エネリフター」は、軽量設計で操作性に優れており、工場や倉庫など、さまざまな現場での活用が期待される電動台車です。
人が乗ることができる電動台車「エネライド」
エネライドは、荷物を載せて運搬する電動アシスト台車です。女性でも簡単に操作できるシンプルな設計で、狭い場所でもスムーズに移動できます。小回りが利くため、ピッキング作業など、短距離の移動が多い作業に最適です。
当サイトでは、エネライドの取り扱いを行っています。従業員や訪問者の安全性を高めたいとお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
高低差のある荷下ろし作業をサポートしてくれる「エネリフター」
エネリフターは、重量物の持ち上げ・下降を電動でアシストする運搬機器です。重い荷物も軽い力で持ち上げられ、腰への負担を大幅に軽減できます。パレットへの積み下ろし作業など、重量物の昇降を伴う作業に効果を発揮します。
当サイトでは、エネリフターの取り扱いを行っています。従業員や訪問者の安全性を高めたいとお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
電動台車導入のメリット
エネライドとエネリフターを導入することで、以下のようなメリットが期待できます。
作業負担の軽減と労働災害の予防
重量物運搬の負担を軽減することで、従業員の身体的な負担を軽減し、腰痛や肩こりなどの予防、労働災害のリスク軽減に繋がります。
作業効率の向上
手作業に比べて、短時間で効率的に作業を行うことができ、生産性向上に貢献します。
人材の多様化
女性や高齢者、体力に自信がない方でも、安心して働くことができる環境を実現し、人材の多様化を促進します。
企業イメージの向上
従業員が働きやすい職場環境作りに積極的に取り組む企業姿勢を示すことで、企業イメージの向上に繋がります。
まとめ
少子高齢化が進む中、企業は人材の確保・育成をこれまで以上に重要な経営課題として捉え、多様な人材が活躍できる職場環境づくりに取り組む必要があります。
特に、これまで男性中心の職場環境であった工場では、女性や高齢者が働きやすい環境を整備することが、企業の成長にとって欠かせません。
柔軟な勤務体制の導入、安全対策の徹底、コミュニケーションの活性化、そして体力的な負担軽減など、さまざまな取り組みを通して、女性や高齢者がその能力を最大限に発揮できる環境を作ることで、企業は人材不足の解消、生産性の向上、企業イメージの向上といったメリットを受けられます。
エネライドやエネリフターといった電動台車の導入は、これらの課題を解決し、女性や高齢者も働きやすい、より安全で快適な職場環境の実現に大きく貢献します。
人材不足にお悩みの企業様、そして、より働きやすい職場環境の実現を目指している企業様、ぜひ、エネライドとエネリフターの導入を検討してみてはいかがでしょうか。