食品工場のカビ対策!カビが生えやすい3つの条件と場所を紹介

kabitaisaku img01 1

お惣菜やお菓子、調味料、保存のきく缶詰の製造など、私たちの食生活を支えてくれているのが食品工場です。口に入れるものを製造しているため、食品工場では菌やウイルスを持ち込まないよう、衛生面でさまざまな工夫がされています。

とはいえ、食品工場は水回りなど湿度の高い環境も多いためカビ対策に頭を悩ましている方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、以下の流れで食品工場がやるべきカビ対策について解説します。

・カビが生えやすい3つの条件
・とくにカビが生えやすい場所
・カビの発生を抑える方法

記事後半では「カビが生えにくい環境を作る方法」についても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

食品工場のカビ対策|まずはカビの基礎知識を学ぼう

4594263 s
▲私たちの目に見えているのはコロニーと呼ばれるカビの集合体

カビとは、細菌やウイルスと同じく微生物の仲間で「真菌類」に分類されます。多数の菌糸と菌糸の生育によって形成される胞子から構成されています。

私たちが目視でカビを確認する段階は、一定の条件下で菌糸を伸ばし、コロニーと呼ばれる菌の集まりになった状態のものです。ここからさらに、成熟した菌糸から胞子が作られ、空気中に拡散されます。

胞子は空気中に拡散されているため、今は発生していない箇所でも条件がそろえばカビが生える可能性があります。

食品工場のカビ対策|カビが生えやすい3つの条件を知る

カビは一定の条件で発生しやすくなる特徴があります。

カビ発生に影響する主な3つの条件は以下のとおりです。

・温度
・湿度
・栄養

それぞれ、どのようにカビに影響するのか、詳しくみていきましょう。

温度

カビは種類にもよりますが、基本的に0°C〜40℃で成長可能です。とくにカビの活動が盛んになりやすい温度は20℃〜30℃といわれています。食品工場ではこの温度を維持していることが多いため、カビが年中発生しやすい環境になっているのです。

湿度

カビには適度な水分が欠かせません。湿度が60%を超えると増えやすくなります。食品工場では食材を洗浄したり、調理用具や機械などを洗ったりと常に水を使う環境です。湿度が高い環境になりやすいので、カビが発生・繁殖しやすい環境となります。

栄養

カビが成長するためには、栄養が欠かせません。そのため、栄養が多い場所ほど繁殖しやすくなります。とくにカビが好むデンプンや糖分がある食品工場はカビが生えやすい環境です。

ただし、食品以外でも汚れやホコリさえ養分になります。カビの繁殖を予防するには、こまめな掃除が不可欠です。

食品工場の環境はカビ対策が欠かせない

24564063 s
食品工場では、カビが生えやすい3つの条件が整っています。

商品にカビが生えることは、避けなければいけません。カビが繁殖した食品を口にすることで健康被害が起こる恐れもあるからです。

また、カビの生えた環境で働いている人も、咳や痰、息切れ、微熱といった喘息呼吸器系の病気を引き起こしたり、悪化させてしまったりといった健康被害が起こる場合もあります。

工場でカビ対策を意識することは、自分たちの仕事を守ることにもつながります。

食品工場のカビ対策|カビが生えやすい場所を知る

kabitaisaku img02 1
カビ対策を行うといっても、どこから対策すればいいかわからない場合もあるのではないでしょうか。
まずは食品工場の中でカビが生えやすい場所から対策を行っていきましょう。

カビが生えやすいと考えられる場所は、以下の2つです。

・冷蔵庫・冷凍庫
・調理器具まわり

それぞれ詳しくみていきましょう。

冷蔵庫・冷凍庫

まずは冷蔵庫と冷凍庫です。扱う食品にもよりますが、冷蔵庫の周りでは外気温と温度の差が生じることで結露ができやすいです。冷蔵庫や冷凍庫が大きいほど周りに結露の溜まる確率は上がります。

結露がたまると、その部分の湿度が上がり、カビが生えやすくなります。工場で結露を予防するためには、こまめな清掃で溜まった水分を取り除くことが大切です。

調理器具まわり

調理を担当している製造工程では、各種調理器具には特に気を配りましょう。念入りに汚れを意識するところは、換気扇や調理台の周りです。汚れがたまりやすい場所には、カビが発生しやすいからです。

食品工場のカビを調べる方法

3420728 s
食品工場の中にカビがどのくらいいるのか調べてみましょう。カビ対策をするといっても、実際にどのくらい工場にカビがいるのか知っておかないと対策を立てづらいからです。

ここでは、カビを調べる方法を2つ紹介します。

・落下菌測定法
・浮遊菌測定法
・カビ検査キット

落下菌測定法

落下菌測定とは、一定時間開放した培地に自然に落下した菌を測定する方法です。測定に特別な機器を必要としないため、手軽に測定できますが、浮遊菌の測定はできません。また、菌の捕集に時間がかかります。

浮遊菌測定法

浮遊菌とは、細菌や真菌などの微生物が微粒子に付着し、人の流れや風などにより空中に浮遊したものです。エアーサンプラーと呼ばれる吸引装置で、一定の空気を吸い込み培地に吹き付け菌を採取します。

この方法では、落下菌だけでなく空中に漂っている浮遊菌も測定できます。ただし、測定には専用の機器が必要です。

カビ検査キット

カビ検査キットを利用すれば、自社に微生物の培養する装置がなくても、カビの測定が可能です。

カビ検査キットに同封されている寒天培地を測定したい場所にスタンプのように押し付けて蓋します。また、スタンプできない場所については、綿棒で擦るように菌を採取します。

スタンプや綿棒を検査センターに送ることで、培養し菌の同定を行い、結果が報告される仕組みです。微生物を培養したり同定したりする設備がなくても、簡単にカビの検査が実施できるのでおすすめです。

当サイトでも、カビ検査キットを取り扱いしています。自社の工場にどのくらいカビがいるのか確認した方は、お気軽にお問い合わせください。

食品工場でカビの発生を抑える対策

kabitaisaku img03 1
食品工場で、カビ対策をするためには、日々の意識も大切です。

ここでは、食品工場でできるカビの発生を抑える方法を3つ紹介します。

・温湿度の管理を行う
・清掃を行う
・オゾンによって除菌する
・防カビ剤を使用する

それぞれ、ひとつの方法ではなく複合的に行うことで効果を発揮します。それでは、詳しく紹介します。

温湿度の管理を行う

食品工場でカビの発生を抑えるためには、カビが好む環境を作らないことが大切です。カビが繁殖しやすい条件である「温度20℃〜30℃、湿度60%」になるべくしないようにしましょう。

具体的には、空調機器や除湿器を活用し、工場内の湿度を一定に保ちます。

ただし、カビの種類は数が多く湿度が低くても繁殖するものもあります。そのため、この後紹介する2つの方法との組み合わせによる対策が重要です。

清掃を行う

カビはごみやホコリなども栄養分として繁殖します。とくに食品工場では、食品を扱うためカビの栄養分になるものが多くあります。そのため、カビの栄養分を残さないためにも、こまめな清掃が欠かせません。

ここで大切なのは、清掃の手順をマニュアル化しておくことです。作業者ごとに清掃の基準が違ったり、タイミングが変わってしまうと常に同じ清浄度が保てなくなってしまいます。どの作業者が清掃を行っても、同じ水準の清浄度が保てるように基準を明確にしておきましょう。

また、空調設備の内部はカビが発生しやすい箇所です。ただし、空調設備の内部清掃は作業者では難しい場合があるので、定期的なクリーニングなどを外部に依頼することも検討してください。

オゾンによって除菌する

藤田医科大学の実験により、低濃度オゾンガス※1はさまざまな菌・ウイルスに対して抗菌・抗ウイルス効果が得られることが確認されました。
※1 低濃度オゾンガスとは、0.05〜0.1ppmを指します

有人の環境でも安全な低濃度オゾンエアを発生させ、工場が稼働しているタイミングでも常に除菌が行えます。

当サイトでは、オゾン発生器BIOZONE(バイオゾーン)高性能オゾン脱臭装置「リフロス」をおすすめしています。

オゾン発生器BIOZONE(バイオゾーン)は、抗ウイルス・抗菌対策に有人環境でも安全な低濃度オゾン発生器です。無人環境のときには、高濃度オゾンを発生させ、空間をしっかり除菌・消臭することもできます。

高性能オゾン脱臭装置「リフロス」は、本体重量4kgで持ち運びしやすく、工場で気になるところで使用できます。工場内だけでなく、更衣室など臭いが気になる場所にも利用でき、除菌も可能です。

防カビ剤を使用する

防カビ剤を使用することも、カビの発生を抑える方法のひとつです。ただし、防カビ施工をしたからといって、必ずカビが生えないわけではありません。施工をした後も、温湿度管理や清掃を行い、カビの発生を抑えていく必要があります。

当サイトでは、「防カビ剤セナ」を使った防カビコーティングをおすすめしています。「防カビ剤セナ」は人や環境にやさしい成分で作られているため、万が一口にしてしまっても安全です。

防カビコーティングでは、すでに発生しているカビを完全に除去・殺菌してから施工を行います。防カビコーティングの実績あるスタッフが専用の清掃器具を使用して行う施工のため、防カビ効果の持続が期待できます。
サービスの詳細を確認したい方は、お気軽にお問い合わせください。

まとめ:食品工場のカビ対策は複合的に行うことで効果を発揮する

24571681 s
この記事では、食品工場のカビ対策について紹介しました。

カビには、生育しやすい条件があるため、発生を抑えるためには発生しにくい環境を作ることが大切です。

発生しにくい環境を作るためには、清掃だけを頑張ってもあまり効果はありません。防カビ施工を行い、温湿度の管理や清掃を続けることでカビの発生を抑えられます。

人の口に入れる食品を扱う工場だからこそ、消費者に安心・安全な商品を届ける必要があります。複数のカビ対策を組み合わせて、効果的にカビ対策を行っていきましょう。