物流業界の方必見! トラックドライバー不足の解決方法について解説します。

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トラックドライバー不足と聞いて、思わず頭を抱えてしまう物流インフラ関連の人も多いはずです。

2024年問題」といわれているトラックドライバーの時間外労働の上限適用によりトラックドライバー自身や物流関連会社の収入が減少する可能性や、「2025年問題」の団塊世代が後期高齢者に突入することによる労働力不足など、問題は山積みです。

その解決策として、運輸業では多くの女性トラックドライバーを雇用しようという動きがあります。国土交通省が促進する女性トラックドライバー応援サイト「トラガール」も、その一つです。
女性トラックドライバーが勤務しやすいように、業務の見直しや社内設備を整えることによって、現在働いているトラックドライバーも労働環境の改善が見込めるのではないでし
ょうか。
特に、トラックまで荷物を運搬したり、荷物を倉庫内で移動させたりの荷役作業は、省力化製品の導入によって、トラックドライバーの業務が大きく改善されるのは間違いありません。

そこで今回は、トラックドライバー不足問題の現状と、今後の解決方法について考察、解説します。

貨物輸送量とトラックドライバーの数

物流の民間シンクタンクであるNX総合研究所の発表によれば、2022年度の国内貨物輸送量は42億トンを越える見通しだと発表されました。
それに対しトラックドライバーの数は、2019年度が86万人、2020年度が84万人と減少傾向にあります。

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(出典)国土交通省総合政策局情報政策本部「自動車輸送統計年報」「鉄道輸送統計年報」「内航船舶輸送統計年報」「航空輸送統計年報」より作成。

国内貨物輸送量は、2020年度は新型コロナウイルスの影響で41億トンと前年・2019年度の44億トンに比べて大幅に減少しました。2022年度には42億トンを越える見通しだと発表されましたが、大幅な増加には至らず、現状は横ばいで推移していると考えられます。

貨物輸送量の推移と物流の現状の変化

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(出典)国土交通省「全国貨物純流動調査(物流センサス)」

ところが、貨物1件あたりの貨物量は1990年に2.43トンから2015年には0.98トンと半減している一方で、物流件数は1990年に13,656千件から2015年には22,608千件と倍増しています。
上記の数値を鑑みると、貨物1件あたりの運ぶ量は減っているものの、輸送する回数が増えており小口多頻度化しているという現状が伺えます。

増加するトラックドライバーの負担

貨物輸送量は増えてはいないものの、物流件数は増加する一方です。それに比べ、トラックドライバーの数は減少しています。
トラックドライバー一人当たりの仕事量を考えた場合

✓  貨物輸送量は増えてはいないもののトラックドライバーの数が減っている為、一人当たりの受け持つ貨物輸送量は増えている
✓  物流件数は増加しているので、1件あたりの量は少ないものの、多くの件数を運搬しなければならない

トラックドライバー一人当たりの負担が増加しているといえます。

トラックドライバーの人材不足の原因と対策

トラックドライバーの人材不足の原因として以下が考えられます。

✓  厳しい労働条件に耐えられなくなり離職
✓  女性が参入しづらい環境の仕事である

また、「2025年問題」で、トラックドライバーが更なる人材不足に陥る可能性も考えなければなりません。

「2025年問題」での人材不足と採用難

2025年には団塊の世代(1947~1949年生まれ)が75歳を迎え後期高齢者となります。それにより医療や介護などの社会保障費が増大し、現役世代に大きな負担となることが懸念されます。それは「2025年問題」といわれ、社会に大きな影響を与えるのではないかと恐れられているのです。
特に労働力の減少は深刻な問題となっています。75歳以上の後期高齢者が増加する一方で、若い世代が減少し、労働力が足りなくなると容易に想像できます。
日本の労働力を担う生産年齢人口(15~64歳の生産に従事しうる人口)は、1995年の8,716万人をピークに減少が続いており、2025年には7,170万人にまで減少するのではと懸念されます。
2025年には、トラックドライバーだけに限らず、人材不足が顕著化し、新規採用が困難になるのではないかと考えられます。
そこで、2025年を迎える前に、トラックドライバーの人材不足を少しでも改善できるように対策をしなければなりません。

トラックドライバーの厳しい労働条件からの脱却

トラックドライバーの仕事は、荷物をトラックに積み込み、運搬し、届けるというのが主な仕事ですが、以下のように決して楽な仕事でないことは明らかです。

✓  荷物の積み下ろしが肉体的に負担のかかる作業である
✓  時間内に荷物を届けなければならないという精神的なプレッシャーがかかる
✓  長時間の業務や睡眠不足、昼夜逆転などの不規則な生活になる

上記の様な厳しい条件での仕事にも関わらず、トラックドライバーの年収は、全産業平均に比べて5%~10%程度低いという調査結果もでています。

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(出典)厚生労働省「賃金構造基本統計調査」から国土交通省自動車局にて作成

そこで、トラックドライバーの働き方を改善する必要があると考えられ、以下が適用されることになりました。

✓  2023年度から、月60時間超の時間外割増、賃金引き上げを中小企業へ適用
✓  2024年度から、時間外労働の上限(休日を除く年960時間)規制が適用

ですが、上記が適用されたからといって、トラックドライバーの労働環境が改善され、働きやすくなるという単純な問題ではないのです。

「2024年問題」で生じる問題

時間外労働の上限(休日を除く年960時間)規制が適用される「2024年問題」では、トラックドライバーの労働環境は改善されつつあるものの、その為に生じる問題は見過ごされたままです。

✓  時間外労働に上限ができたため時間外手当が得られず、トラックドライバーの収入が減少
✓  時間外労働が制限されることで、運輸会社や物流会社の請け負う業務量が減少し、ひいては運輸会社や物流会社の収益も減少してしまう
✓  収益が減少した運輸会社や物流会社が運賃を値上けし、荷主にも影響を与える

上記のようなった場合、収入を上げるために運輸会社や物流会社などの運送料が値上げされることが想定されます。また、商品の運送料金が値上げされると、商品の価格自体も値上げされるのではないかと危惧されます。
消費者にも大きな影響を与える「2024年問題」を真剣に考えなくてはなりません。

女性トラックドライバーの進出を後押しする

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(出典)総務省統計局「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の要約」

2022年の就業者数は6,723万人となり、前年に比べて男性は3,699万人と12万人減少しましたが、女性は3,024万人と22万人も増加しています。就業者数の44%が女性で、ほぼ半数に達しそうな勢いです。
ところが、運輸業・郵便業の就業者数は351万人で、男性が274万人、女性は77万人となっており、女性の運輸業・郵便業の就業者比率は22%とまだまだ低い水準です。更にトラックドライバーの女性の比率はわずか3%としかないという調査もあるほどです。働く女性トラックドライバーが如何に少ないのかを物語っています。

どうして、女性がトラックドライバーとして働くのが難しいのか、実際に働く女性トラックドライバーが困ったと思った点をピックアップしました。

✓  トラックを停められる場所が限定されていてトイレが少ない
✓  男性より体力面で劣るのではないかなど、女性トラックドライバーだからという先入観でみられる
✓  「女性だからと思われないか」などと様々な面で気を使うことが多い

設備的にも、体力面、精神面でも女性トラックドライバーは男性以上に厳しい環境で働いているのではないかと懸念されます。
そこで国土交通省は、トラックドライバーをめざす女性応援サイト「トラガール」を立ち上げたのです。女性トラックドライバーを雇用する企業側にとっても多くのメリットがあるように、女性雇用等に係る各種制度も多く設けられています。
企業側も女性トラックドライバーを採用するために、業務の見直しや社内設備を整えることを検討している会社も少なくありません。

トラックドライバーの業務を軽減するための対策

トラックドライバー不足を解決するために、新規雇用を促進することも必要ですが、現在働いているトラックドライバーの離職を防ぐ対策も重要です。

トラックドライバーの業務

トラックドライバーの仕事は、営業形態や車両の大きさにもよって若干差異はありますが、主に以下のような仕事です。

✓  荷物を納品先などへ輸送するトラックの運行
✓  集荷した荷物のトラックへの積み込みや、納品先での積み下ろしなどの荷役作業
✓  荷造り、仕分、棚入れ、ラベル貼りなどの付帯業務

荷役作業等の記録義務付け」が2019年6月15日施行され、荷役作業や付帯業務はトラックドライバーの仕事として認められるようになりました。それ以前では、トラックの運行のみが業務として認められ、荷役作業や付帯業務は認められないケースも珍しくありませんでした。
ただ、その荷役作業や付帯業務が仕事として認められることによって、トラックドライバーの拘束時間も増えたのです。

トラックドライバーの業務時間の割り振り

トラックドライバーの業務を見直すために、まずどのような業務をどの程度の時間で行っているのか確認しなくてはなりません。

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(出典)「荷役作業等の記録義務付けに関するリーフレット」(国土交通省)

荷主の都合によりトラックドライバーが待機している荷待時間の有無によって若干異なりますが、トラックドライバーの拘束時間の中で最も多いのは運転時間です。次いで多いのが、荷役時間となっています。
トラックドライバーの荷役作業を見直せば業務の軽減が可能だと考えられます。

荷役作業とは

トラックドライバーの荷役作業は、トラックへの荷物の積み込みと積み下ろし作業だけだと考えられがちですが、トラックまで荷物の運搬や荷物を倉庫内で移動することもトラックドライバーの重要な業務なのです。
更に荷役作業の方法も手作業で行う重労働から肉体的には楽なフォークリフト作業まで多岐にわたります。

✓  フォークリフト等の機器を使わず手作業だけで行う「手荷役」
✓  荷物を載せているパレットから荷解きして手作業で運ぶ「パレット崩し手荷役」
✓  パレットなどをまるごとフォークリフトで運ぶ「フォークリフト荷役」
✓  キャスター付きのカゴのようなもので運ぶ「ロールボックス荷役」

(出典)「R3年度トラック輸送状況の実態調査結果(全体版)」(国土交通省)

上記の図からもうかがえるように、トラックドライバーに時間的にも肉体的にも負担のかかる「手荷役」が多いのは明白です。
一度にたくさんの荷物を運搬でき、トラックドライバーの負担も少ない「フォークリフト荷役」の割合は多いのですが、フォークリフトは誰にでも扱えるわけではなく免許が必要になってきます。
「ロールボックス荷役」であれば、トラックドライバーの負担も少なくキャスター付きのカゴ状の台車で多く運搬できます。ですが、荷役作業の実施割合としてはまだまだ少ない状態です。また、「ロールボックス荷役」では、トラックに積むためには昇降装置が必要になったり、トラックに積載できるカゴの数は限られていたりと、上手に利用するためには工夫が必要になってきます。

荷役作業の軽減化するには

前述した通りトラックドライバーの荷役作業は、時間的にも肉体的にも負担の大きい「手荷役」が主流だという事が明確になりましたが、その荷役作業を軽減させるには、どうしたらいいのでしょうか。

✓  トラックドライバー以外の者が荷役業務を担うことによって、トラックドライバーの拘束時間を減らす。
✓  荷役作業を簡単に作業できる省力化製品を導入することによって、トラックドライバーの負担を軽減する。

トラックドライバー以外の者が荷役業務を担う場合、既にトラックドライバーとしてはリタイアしたもののまだ働く意欲を持っている高齢者スタッフが荷役業務を担うことが想定できます。そうなると、負担の大きい「手荷役」ではなく、「フォークリフト荷役」や「ロールボックス荷役」であれば、高齢者スタッフも活躍できます。
更に、フォークリフトのように運転・作業するには免許は必要なく、ロールボックスよりも効率的に多くの荷物を運べる省力化製品があれば、高齢者スタッフだけでなく、新規参入した者や女性などの多くのトラックドライバーの荷役作業軽減につながると思われます。

荷役作業の省力化製品の導入

現在のトラックドライバーの荷役作業は、機械など使用せず人力で運ぶ「手荷役」と、フォークリフトで運ぶ「フォークリフト荷役」が主になっています。ただ、「手荷役」は一度に運べる量が少なく非効率的ですし、「フォークリフト荷役」は効率的ですが運転・作業するには免許が必要です。
そこで「ロールボックス荷役」であれば、負担も少なく多くの荷物を運べるのではと思いますが、ロールボックスごとトラックへ積み込む場合は昇降装置が必要になります。
それらを考えると、以下の要素を満たした省力化製品があれば、トラックドライバーの荷役作業の軽減化につながるのではないでしょうか。

✓  フォークリフトのように免許が必要ない
✓  腕力がない高齢者や女性でも簡単に多くの荷物を運べる
✓  昇降装置がなくてもトラックに積み込み可能

上記の条件を満たす省力化製品が、電動ハンドリフトです。電動ハンドリフトは、スキル、腕力、免許がなくても、誰でも簡単に荷物を載せたままトラックに積み込みできますので、トラックドライバーの荷物の積み下ろし作業は格段に楽になるでしょう。

当サイトでも、電動ハンドリフト「イノリフト」という製品をご紹介しています。イノリフトは、荷物を載せたままトラックに積み込みできる世界で唯一のハンドリフターです。
業務の効率化や社員の負担軽減をお考えの工場長の方はぜひご相談ください。

女性トラックドライバーの作業効率の向上

省力化製品が導入されれば、男性トラックドライバーに限らず、多くの女性トラックドライバーが大きな恩恵を受けるはず、ということをお話ししてきました。

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出典:国土交通省ウェブサイト

女性トラックドライバーの多くは、重量が軽く近距離で運べる身近な品目を輸送しているという傾向が見られます。そして、荷役作業については、男性同様に手作業やフォークリフトでの作業が多く、こちらも免許いらずで、女性でも簡単に操作できる「イノリフト」のような省力化製品があれば、作業効率の向上は間違いないはずです。

更に、女性トラックドライバーが困難に直面するのは、重い荷物を階段で運ばなければならない場合です。男性トラックドライバーが一度に運べる荷物を女性トラックドライバーは分けて何度も運ぶなどの工夫が必要になり、どうしても作業効率が落ちてしまいます。
そんな時、階段も楽に昇れて一度に複数運べる省力化製品があれば、作業効率は格段に向上するでしょう。

✓  フォークリフトのように免許が必要ない
✓  狭い所でも運搬できる
✓  荷物を降ろさずに階段の上り下りも可能

上記の条件を兼ね備えた「階段昇降フォークリフト」を利用すれば、女性トラックドライバーでも荷物の運搬がスムーズに行えるでしょう。

このような省力化製品を女性トラックドライバーが使用できれば、作業効率も上がるはずです。

トラックドライバーの人材不足を解決するには

トラックドライバーの人材不足を解決するには、現在のトラックドライバーの労働環境を改善して離職を防ぎつつ、省力化製品の積極的な導入など行い新規人材を確保する必要があります。

「2024年問題」については、以下の記事でもご紹介しています。ぜひご覧いただき、今後の人材不足解消にお役立てください。
 
◇トラックドライバー業務に影響する「2024年問題」とは?
 
まとめ

✓  物流の貨物輸送件数は増加しているが、トラックドライバーの数は減少しており、トラックドライバー一人当たりの負担は増加している。
✓  「2024年問題」や「2025年問題」でトラックドライバーの人員不足は深刻さを増すことが予想される。
✓  トラックドライバーの人材不足を解決に導くには、現在働いているトラックドライバーの荷役作業の軽減や収入アップを図ることで労働環境を改善して離職を防ぐ。
✓  省力化製品を積極的に導入して、女性トラックドライバーなどの働きやすい環境を整え、新たなトラックドライバーの人材確保を目指す。