工場・倉庫の寒さを改善したい!快適な作業環境のための寒さ対策とは

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工場や倉庫での作業を効率よく進める上で、職場環境の適切な温度管理は重要なポイントの一つです。特に「寒さ」や「冷え」が作業効率に与える影響は少なからずあって、生産効率にも関わってきます。

とはいえ、広い工場内の温度を空調設備だけで快適に維持するのはなかなか難しいのも事実。そこで今回は、工場や倉庫の寒さ対策を解説しながら、導入しやすい機器の効果的な活用法もご紹介します。

生産性を上げるためにも寒さ対策は必須

寒冷環境で作業にあたっていると、自身でも気づかないうちに体温が低下している恐れがあります。そうすると身体的な負担は多くなり、作業効率が落ちるだけでなく、健康被害も起こりやすくなります。
作業管理者は、従業員がそうした状況に陥らないよう、暖かさを確保できる環境を整備し、寒さに長時間さらされないよう勤務計画も適切に立てる必要があります。

暑さ対策に対する意識は年々高まりつつありますが、職場環境の安全性と生産性を考えるなら、“寒さ”という視点からもしっかり対策を練る必要があるでしょう。

快適な職場づくりは事業者の努力義務とされ、厚生労働省からも「事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針 」 (快適職場指針)が公表されています。従業員の身体的な負担を軽減し、生産効率を上げるためにも、計画的に職場環境の改善を進めることが望ましいでしょう。

工場や倉庫はなぜ寒い?

工場や倉庫が寒い要因の一つは、その「広さ」にあります。空間が広いことで、空調管理が隅々までいきわたらず、また、エネルギーコストをかけた割には快適な温度を維持するのが難しいため、従業員が寒さに苦痛を感じながら作業にあたることも少なくありません。

工場や倉庫の多くは、床などがコンクリートで施工されています。また安全性の観点から空間が大きく取られていることもあり、日光なども遮断されやすいので、特に冬場は常に冷えと戦わなければなりません。
扱う物によって作業場の温度を低く設定する必要があったり、温風を吹き付けることが難しかったり、さまざまな条件があることも工場や倉庫が寒くなる要因となっています。従業員はそうした厳しい環境のなかで、日々業務にあたっている可能性があります。

寒さが及ぼす健康被害。「冬バテ」にも注意を

体が冷えると体力が奪われてしまうため、風邪などの体調不良を招きやすくなります。また、冷えによって慢性的な肩こりや腰痛が生じたり、手先がかじかむことで細かい作業がはかどらなかったり、思わぬケガを招いたりすることも考えられます。特に冬場は寒さによって血管の収縮が活発になりやすく、脳卒中などのリスクも高まります。高齢者が働く職場などで特に注意が必要です。 出典:労働安全衛生研究所

屋内と屋外の寒暖差が大きくなると、だるさを感じる、疲れがとれないなど夏バテに似たような不調をきたすこともあります。寒さや冷えによる「冬バテ」にも注意しましょう。

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寒さで作業効率ダウン

寒さによって体に負担がかかると、集中力が低下します。注意力が散漫になってしまうと作業の精度は低くなり、結果的に効率も下がってしまいます。また、慢性的な冷えによって体調を崩し、従業員が欠勤することになった場合、その分を他の従業員でカバーすることになるため、負担はますます増えることに。職場全体での生産性も落ちてしまいます。

寒さが安全リスクも脅かす

寒さによって警戒心や論理的思考力が低下することがあります。そうすると作業効率が落ちるだけでなく、ミスやヒューマンエラーなども起こりやすくなってしまいます。
寒さ対策として服を多く着込んだことにより、かさばって手足が動かしにくくなってしまうと、思わぬケガなどをしてしまう恐れもあります。安全性のリスクを軽減するためにも、職場環境はできるだけ「快適」をめざす方がよいでしょう。

従業員のモチベーションも低下

冷えや寒さの厳しい環境で働いていると、仕事に対する意欲が上がりにくく、作業も雑になってしまうことがあります。なかなかはかどらない仕事にモチベーションは低下し、ますます作業効率が落ちてしまうという悪循環にもなりかねません。

今からできる寒さ対策のポイント

広い工場内を暖房器具だけで温めるのは容易ではないため、寒さ対策には工夫やアイデアが不可欠です。ここからは、作業環境の寒さを効率よく改善するポイントについてみていきましょう。働く人が自分でできること、工場の管理者(自社)が今からできること、それぞれの視点でご紹介します。

個人でできること:インナーウェアで体温調節

寒さ対策の防寒具としてまず選びたいのが、インナーウェアです。保温効果のある肌着やタイツ、股引などは伸縮性のあるものも多いので、体を動かす作業時におすすめ。また、素材の中には吸湿性のものや発熱素材、裏起毛のものなど、さまざまなタイプがあるので、自身の体温調節に見合うものを選ぶようにしましょう。
足元が冷える時は厚手の靴下を履いたり、背中や腰回りが冷えやすい場合は、衣服の上に貼るタイプのカイロを活用したりするのもおすすめです。

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個人でできること:アウターは保温性の高い素材を

アウターでは防風効果や保温性の高い素材を選べば、中の体温を逃がさず維持する役割が期待できます。素材が厚めであればその分効果も上がりますが、厚すぎても体が動かしにくくなって作業に支障をきたすことが考えられるため、裏地にフリース素材や裏起毛が使われているものなど、軽めで作業のしやすいものを選ぶのがよいでしょう。

自社でできること:保温エリアの設置

工場内のスペースが広い場合は、エリアごとにストーブやオイルヒーターなどの器具を設置し、ビニールカーテンで空間を区切ることで、スペースごとに暖房効果を高めることができます。設置も大がかりではないですし、冬場の厳しい時期だけ使う、といった活用法も可能なので今から導入しやすいものの一つです。

自社でできること:作業環境の温度調整

工事が必要にはなりますが、建物の壁や屋根に断熱対策を施すことも有効です。外気からの影響を抑えることで夏は涼しく、冬は寒さを緩和させる効果が期待できます。また、省エネの補助暖房としてソーラーウォーマーを導入するのもおすすめです。電源を使わずに太陽エネルギーで温風を送り、補助暖房として工場内の温度を上げてくれます。
足元からの冷えには、クッションシートを敷くのも効果的。コンクリートの床からくる冷えが直接足に伝わることを防げるため、寒さが軽減されます。

シチュエーション別おすすめ対策

寒さ問題を解決してくれるおすすめの対策法を、シチュエーション別にご紹介します。

屋内作業のための対策

ひとくちに「屋内作業」といっても、作業の内容によって環境はさまざま。火気厳禁だったり、生鮮品を扱うため暖房器具が使えなかったりといった条件も少なくないため、自社の環境に最適なものを選んで対策を講じる必要があります。

冷蔵庫・冷凍庫内での対策

冷蔵庫・冷凍庫内での作業は、エアコンなどの暖房器具がなかなか使えないものですが、遠赤外線を用いたヒーターなら導入が可能かもしれません。工場用防水遠赤外線ヒーター「ペガサス」は、空間全体を温めるのではなく、局所的に温めることができるので、生鮮品を扱う工場や火気厳禁の場所でも導入しやすいでしょう。また、防水機能が施されているため屋外でも使用できます。壁や床に設置したり、スタンドとしても使えたりするので、場所を選ばずフレキシブルに活用できます。

組み立てラインの作業のための対策

衛生環境を整えながら、同時に寒さ対策も講じたい時は、ビニールカーテンが有効です。細かいチリやほこり、虫、冷気などの侵入を防ぎながら、効率的に空調管理ができます。透明で明るく、レイアウトも自在で設置が簡単。今すぐ導入しやすいアイテムの一つです。

梱包作業のための対策

梱包などを行う作業場で、広範囲を温めたいなら、高出力のストーブが適しているでしょう。なかでもサーキュレーター付きのストーブなら、暖かい風を工場内に送ることができ効率的です。

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屋外作業のための対策

屋外で作業する時は、身に着けるもので体温を調節することが有効です。発熱ユニットで温かくなる電熱ベストや、保温効果の高い手袋、靴下、ネックウォーマーなどを着けると、冷えやすい首、手首、足首も寒さから守ることができます。
雨などの水滴から体を守る場合は、靴やアウターの表面をコーティングする撥水材などを活用することも効果的。撥水材は服用や金属用など、使うアイテムごとに専用のものがあるので、用途によって最適なものを選びましょう。

作業環境の寒さ対策 まとめ

今回は、倉庫や工場における寒さ対策についてご紹介してきました。空間が広い作業場は室温調節が難しく、そこで働く人にとっては寒さがツライと感じることも少なくありません。寒さによってモチベーションが下がれば業務効率は落ちますし、従業員の健康にも影響を及ぼしかねません。

とはいえ、工場によっては、室温管理に規定がある場合もありますので、すべてを最適にすることはなかなか難しい面もありますが、工夫とアイデアしだいで、いまより良い方向に改善することは可能でしょう。寒さ対策を目的に工場や倉庫でも導入できる機器や機材がぞくぞくと開発されています。ぜひそうしたアイテムを自社の味方にして、「ツライ、寒い」を「快適」な環境へと一歩進めていただければと思います。

工場用防水遠赤外線ヒーター「ペガサス」

工場用大型扇風機&ストーブ&サーキュレーター

省エネ補助暖房「ソーラーウォーマー」