フォークリフトの運転に免許は不要?必要?

工場の荷物の上げ下ろしには欠かせないフォークリフト。
車の免許があれば、運転しても大丈夫?と思われそうですが、フォークリフトを運転する為には講習受講し、修了資格を取得しなければなりません。
無資格で運転するのは違法ですので、気を付けましょう。

これからフォークリフトを運転しようと思う方向けに、フォークリフトの基礎知識から、どんな種類があるのか、免許取得のための講習の内容、について説明していますので、ぜひご覧ください。

フォークリフトとは?

フォークリフトは、前面に荷を載せるフォーク(つめ)、ラムなどを備えた動力付き荷役運搬車両のことをいいます。油圧を利用して、フォークを上げ下げしたり、傾斜させることで重たい荷を楽に上げ下ろしすることができます。

フォークリフトの種類と役割


カウンタバランスフォークリフト

前方にマストと2本のフォークを備え、後部にバランスを取るための重りを設けた一般的な形状のフォークリフト。


リーチフォークリフト

マストを前後に移動できるため倉庫内など狭い作業場所において広く用いられている。基本的に立ったままで操縦する。


サイドフォークリフト

車体の真横にフォーク及びマストを備えたフォークリフト。長い物を効率よく運搬できる。


マルチディレクショナルフォークリフト

全方向走行が可能なフォークリフト。


ウォーキーフォークリフト

運転者が歩きながら操縦するフォークリフト。運転席がなくコンパクトなものが多い。狭い通路や階上での作業に向いている。


ラテラルスタッキングトラック

進行方向の両側または片側に、荷の積付けができるフォークリフト。


オーダーピッキングトラック

荷台とともに運転席も動くタイプのフォークリフト。作業者が高所でピッキング作業などを行う際に用いられる。


プラットフォームスタッキングトラック

車体から前方に伸びた安定性を保つ可動式の装置の上に、プラットフォームが伸びているタイプのフォークリフト。


ストラドルフォークリフト

車体から伸びた安定性を保つ装置の間にフォークが降りる形状のフォークリフト。

出典:JIS D 6201:2017 図1,2,3,4,6,8,9,12,15 日本産業規格 https://www.jisc.go.jp/

運転するにはどんな資格がいるの?

フォークリフトの運転資格は、運搬できる荷物の重さ(最大積載荷重)によって2種類あります。

  • 最大荷重1トン以上を運ぶ = フォークリフト運転技能講習+修了試験合格
  • 最大荷重1トン未満を運ぶ = フォークリフト運転特別教育を受講

フォークリフト運転技能講習とは

最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転する場合は、フォークリフト運転技能講習を修了した者でなければ業務に就かせてはならないと定められています(労働安全衛生法施行令第20条第11号)。講習終了後の試験に合格すると「フォークリフト運転技能講習修了証」が発行されます。

講習の内容:

  • 最大35時間の講習+修了試験に合格
  • 学科講習 = 11時間
  • 実技講習 = 24時間

※普通、準中型、中型、大型特殊免許を持っている、最大荷重が1t未満のフォークリフトの業務経験が6ヶ月以上ある方など、講習時間が一部免除されます。
(例:大型特殊免許所有者は講習11時間)

コース区分 現在保有している資格及び業務経験
11時間
  • 大型特殊免許(カタピラ限定を除く)所有者。
  • 普通、準中型、中型、大型、大型特殊(限定あり)免許を有し、小型フォークリフト特別教育修了後、最大荷重が1t未満のフォークリフトの業務経験が3ヶ月以上ある方。
    (特別教育修了証のコピー貼付、事業主経験証明必要、特自検点検表添付)
15時間
  • 小型フォークリフト特別教育修了後、最大荷重が1t未満のフォークリフトの業務経験が6ヶ月以上ある方。(特別教育修了証のコピー貼付、事業主経験証明必要、特自検点検表添付)
31時間
  • 普通、準中型、中型、大型、大型特殊(限定あり)免許所有者。
35時間
  • 上記のいずれにも該当しない方

【更新の有無】
運転技能講習修了証は、一度手に入れれば失効しません。

フォークリフト運転特別教育とは

最大荷重1トン未満のフォークリフトを運転する場合は、「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育」を受ける必要があります。

講習の内容:

  • 12時間の講習(修了試験無し)
  • 学科講習 = 6時間
  • 実技講習 = 6時間

講習を受けた後に試験はありません。
最大積載荷重1トン未満のフォークリフトに限り運転できるようになります。

学科

科目 教育時間
走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識 2時間
荷役に関する装置の構造、取扱い及び作業方法に関する知識 2時間
運転に必要な力学に関する知識 1時間
関係法令 1時間

実技

科目 教育時間
走行の操作 4時間
荷役の操作 2時間

フォークリフトの資格がないまま運転するのは「違法」なんですよね。
なぜなら、重量物の積み下ろし、移動して運ぶには専門的な技術と、取り扱うフォークリフトの特長や構造を熟知している必要があるからです。ひとたび事故が起こった場合、運転者や周囲の作業者が死亡する事例も少なくありません。
参考までに、フォークリフトの無資格運転でおきた事例をご紹介します。いずれも死亡事故につながった事例です。

無資格運転による事故事例

厚生労働省 労働災害事例より

魚介類等の冷凍保管庫においてフォークリフトで荷の搬出作業中、荷が崩壊(卸売業)

冷凍保管庫において荷をフォークリフトで搬出する作業中に、「はい」の荷が崩壊した事例。作業者が冷凍保管庫内で一時フォークリフトを降りてフォークに載せた荷の確認をしていたところ、突然、周囲の「はい」の一部が崩壊してきたため、その下敷きとなって死亡した。

原因

  1. 無資格者にフォークリフトの運転をさせたこと
  2. 「はい」の状況の確認を行っていなかったこと
  3. 「はい崩し」作業の手順等の教育を実施していなかったこと
  4. 作業場所の照度が不足していたこと

フォークリフトを運転中、曲り角で転倒し、運転者が死亡

フォークリフト(最大荷重3t)を運転して資材置き場まで移動中、建物の角で右折したところ、フォークリフトがスリップし、転倒し作業車が運転席から投げ出され、転倒したフォークリフトのヘッドガードの下敷きとなり死亡した。また、転倒したフォークリフトのタイヤはすり減っていて溝がない状態だった。

原因

  1. フォークリフトの運転を無資格者に指示したこと
  2. フォークリフトの点検や整備が適切に実施されていなかったこと
  3. フォークリフトにキーが挿入されたまま誰でも使える状態で置いていたこと

フォークリフトでプレス機械を移動作業中、プレス機械が転倒して作業者が下敷となる

フォークリフトでプレスを移動しようとしたが、プレスの重量でさやがたわんだので、水平に戻そうとしたが、プレスが倒れ、横にいた作業者が下敷きになり、死亡した。

原因

  1. 本来のフォークに「さや」を被せ、フォークの長さを延長したフォークリフトを使用し、十分にフォークを差し込まない状態で持ち上げようとしたため、プレスの重量でさやがたわみ、バランスが崩れたこと
  2. フォークリフト運転技能講習を終了していない者が運転操作を行ったこと
  3. 作業方法の決定が担当者のみに任され、安全について十分な検討がされていなかったこと
  4. 安全管理体制が整備されていないこと

いかがでしょうか?
事例にもあるように、フォークリフトによる重量荷物の積み下ろし、運搬などを行う作業は、危険を伴います。実際にフォークリフトによる労働災害も増えていますので、効率だけはない安全な運転を心掛けたいものですね。フォークリフトを運転する際にはフォークリフトの種類や特徴、安全装置などについて十分理解した上で、取り扱いましょう。