製造業が抱える人材不足は今後どうなる? 人手確保の実例と共に紹介!

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欧米各国の工業製品に比べて高品質で尚且つ安価という点で世界の市場を席巻した「ものづくり大国日本」でしたが、バブル崩壊をきっかけに日本の製造業には大きな影が差し始めました。

そして、近年においては世界的な新型コロナウイルス感染症の大流行や、ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルのガザ地域の侵攻等による不安定な国際情勢、更に日本で頻発している自然災害などによって、製造業を取り巻く環境は大きな変化を余儀なくされています。

人口減少や少子高齢化による労働力不足、世界情勢不安による原材料やエネルギー価格高騰、技術の進化に対応するためのデジタル技術に精通した人材確保など、製造業が抱える問題は山積みです。

まずは「製造業の人材不足」を解決するために、どのような対策が必要なのかを探っていきたいと思います。

製造業人材不足の理由

日本の労働力の減少に総人口の減少が大きく関わっているのは間違いありません。
総務省統計局の発表によると、2023年(令和5年)7月1日現在(確定値)では、以下のようになっています。

・総人口:1億2,451万7千人で、前年同月に比べ60万8千人減少
・15歳未満人口:1,428万1千人で、前年同月に比べ30万8千人減少
・15~64歳人口:7,401万5千人で、前年同月に比べ26万9千人減少
・65歳以上人口:3,622万人で、前年同月に比べ3万1千人減少
うち75歳以上人口は 1991万5千人で、前年同月に比べ75万5千人増加

これだけ見ても、いかに少子高齢化が進んでいるのかがはっきりとわかります。

製造業の人材不足の原因

日本の過去25年の製造業の売上高は400兆円程度で推移しており、平均賃金水準は全産業の中でも高く、雇用規模が非常に大きい産業です。
2023年版 ものづくり白書」では製造業を取り巻く環境の変化として「約11万人の人手不足」が明記されています。

製造業の人材不足の原因は人手不足だけではなく、以下にあげられる要素が大きな原因だと思われます。

理由① 労働人口不足と高齢化

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(出典)「2023年版ものづくり白書」(経済産業省製造産業局)

2022年は製造業に携わっているのは、約1,044万人と産業別就業者の中でもトップレベルに多い産業です。2021年は約1,045万人に比べると、ほぼ横ばいとなっています。

男性就業者数は2022年で約732万人、2002年の約798万人から比べると約66万人減少していますが、ここ数年は横ばいが続いています。女性就業者数は2022年で約312万人、2002年では約403万人ですので、20年間で約91万人減少しており、女性の減少が顕著だといえます。

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(出典)「2023年版ものづくり白書」(経済産業省製造産業局)

年齢別では、34歳以下の製造業に携わる若年層が2022年は約255万人、前年の2021年は約263万人と若干減少しています。2012年以降はほぼ横ばい状態ですが、2002年には約384万人の若年就業者がいたことを考えると、安心できる数値ではありません。

65歳以上の高齢就業者数は2022年で約90 万人です。2002年は約58人だったのに比べると20年間で32万人増加となっており、高齢化が顕著になっています。

上記からもわかる様に、製造業では高齢化が進んでいるのは明らかです。また、全産業の女性就業者数の割合が増加しているのに比べ、製造業では女性就業者数が減少していることも見逃せません

理由② 後継者問題

バブル崩壊後、日本企業が低コストのアジアの国々に生産拠点を移したことによって、高コストの日本国内の優れた技術がきちんと伝承されずに失われてしまいました。

また、卓越した技術が数値化もデジタル化もされておらず、旧態依然とした「見て覚える」という可視化しにくい方法での伝承に頼っており、後継者が育成しにくい環境だと言えます。

優れた技能者が高齢となる一方で、それを受け継ぐはずの若年就業者が感覚に頼る伝承についていけず離職するという悪循環になっています。

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(出典)「2023年版ものづくり白書」(経済産業省製造産業局)

2023年版 ものづくり白書」の「製造業における能力開発や人材育成に関する問題点の内訳」でも、「指導する人材が不足している」とあげた事業所が6割を超え、次いで「人材育成を行う時間がない」「人材を育成しても辞めてしまう」などのように、人材育成が上手にいかず技術が受け継がれていないのは明白です。

卓越した技術をデジタル化して継承する事も必要ですが、それができない場合は「マニュアル動画制作」することで、視覚的に伝えることができます。その動画によって、質の高い教育研修で技術を継承でき、効率良く人材を育成することが可能になるのです。

理由③ 技術の進化に伴う人材の資格・スキル不足

ものづくりの工程でデジタル技術について「活用している」とした企業は年々増加しており必要不可欠になっています。

ところが、「ものづくりの工程・活動におけるデジタル技術の活用状況の推移」ではデジタル技術を活用しているのは、2021年で67.2%にとどまっており、3割以上の企業が活用していないのです。

デジタル技術を活用すれば以下のようなメリットも

・ 「デジタイゼーション(Digitization)」
紙などで管理している情報をデジタル化することによって、会社の業務の効率化アップが可能になる
・ 「デジタライゼーション(Digitalization)」

製造プロセスのデジタル化をすることによって、優れた技能者の技を伝承することも可能になる

しかし、そのデジタル技術を活用するノウハウや人材が不足している企業が少なくないのです。
組織全体をデジタル化してビジネスを変革させる「DX:デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)」に対応した人材の確保や育成が急務なのです。

製造業の今後に与える影響

新型コロナウイルスの大流行、不安定な国際情勢、日本で頻発している自然災害など、製造業に与える影響は計り知れません。

前の文章でお話ししたように、製造業では人手不足が叫ばれています。そうなると、今後は人手不足を補う為に、労働者1人当たりの労働時間を増やさざるを得ない状況が発生する可能性があります。

2023年度では、1日の所定労働時間は、労働者1人平均7時間47分に対し、製造業では平均7時間52分でしたので、ほぼ平均値といえます。
しかし、このまま人手不足に対して何も対策をしなかった場合、労働者1人当たりの労働時間が増え、週休制の形態を維持できなくなるなど、労働者にとって好ましくない労働環境に陥ってしまうかもしれないのです。
そうなると労働者の離職にもつながり、更なる人手不足になりかねないのです。

また、人手不足に陥った為に、本来なら後継者の人材育成へ宛てていた時間を通常の業務へ宛ててしまうなど、時間を有効に活用することができず、次世代への継承ができなくなり、新しいビジネスのチャンスを逃すなど、企業としての競争力が低下する恐れもございます。

加えて、大型の新規受注を獲得したくても人手不足の為に、品質を保持した製品の納品が確約できず、受注を断念せざるを得ない状況となり、企業が事業の縮小に追い込まれる事態になりかねません。

更に、新規受注したとしても人手不足のために製品の納品が遅れれば、その為に依頼された企業からの支払いが滞り、製品製造のために高騰する原材料の購入などで多大な支出が必要となり、企業の資金繰りが悪化すれば、最悪の場合は倒産する危険性もあるのです。

人手不足が発端となり、負のスパイラルへ陥ってしまう前に、必要な人材を確保するのは急務なのではないでしょうか。

製造業の人材不足の具体的な解決策

人材不足を解決するには、雇用を増やす事と、現在ある業務をデジタル化して人間の仕事を減らすという事が考えられます。

高齢者、女性、外国人など雇用枠の拡大

高齢就業者数は、19年連続で増加し2022年では約912万人と過去最多となっています。製造業でも高齢就業者数は約90万人と年々増加をしています。60代の約半数が働いているという結果も出ています。

まだまだ働きたいと思っている高齢者は少なくありません。製造業でも卓越した技術や専門知識を持つ高齢者を若年層の育成のために雇用し、企業としての競争力を高めるのは必須かと思われます。

製造業の女性就業者数は、2022年では約312万人となっており、ここ20年間で徐々に減少しています。
製造業に限らず女性の場合、20歳代~40歳代にかけて結婚や出産、育児による離職がどうしても避けられない課題としてあげられます。また、一度離職してしまうと仕事に復帰するのが難しいという理由もあるようです。

製造業就業者数は、男性は732万人、女性は312万人と、男性の数は女性の倍以上の就業者数になっており、圧倒的に男性の数が多い職場であることは間違いありません。その為に少ない女性就業者に対応した環境が整っておらず、女性の離職につながる可能性も少なくないのです。

そこで、女性の就業者を獲得したい場合は、出産や育児に理解のある職場で、女性が働きやすい環境である事が大きな条件の一つになるのではないでしょうか。

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(出典)「2023年版ものづくり白書」(経済産業省製造産業局)

そして、日本の労働力の減少に総人口の減少が関わっているのは前述させていただきましたが、そこで日本以外の労働力を獲得することも重要です。

外国人労働者数は年々増加しており、2022年には全体で約182万人にも達しています。製造業でも直近の2022年には 48.5万人と高い水準となっています。外国人労働者数の占める割合についても、2022年は4.8%と上昇しており多くの外国人労働者が製造業の現場で大きな戦力になっていることがうかがえます。

更に2019年に人材不足解消を目的とした労働者として外国人を雇用する「特定技能」という就労ビザの制度がスタートしており、製造業では「特定技能」を含む専門的・技術的分野の在留資格を持つ外国人が10.7万人となっています。

今後、就労を目的とした外国人が増加し、製造業でも多くの外国人の人材が活躍するのが容易に想像できます。

製造業の3Kの払拭するイメージ戦略

製造業は「きつい」「汚い」「危険」という「3K」のイメージが深く残っており、いまだにそのマイナスイメージから脱却できずにいます。

その為、職場での雰囲気やプライベートな時間を重要視する傾向にある新卒採用者にとっては、製造業は敬遠されがちになっています。更に若年層を育成していく中間層の人材も、ある程度のスキルがある人材は他業種へ流れている傾向が否めません。その理由としても製造業は「3K」のイメージが強く、労働環境が悪いといまだに思っている人が多いのです。

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(出典)「2023年版ものづくり白書」(経済産業省製造産業局)

製造業の月間労働時間の平均値が2018年までは170時間を超えていたのですが、2019年4月に働き方改革関連法が施行されたことによって、急激に減少に転じています。
時間外労働の上限規制や年次有給休暇の確実な取得が義務づけられるようになり、製造業も労働環境の改善が進められ、決して「3K」ではなくなっているのですが、労働環境が悪いというイメージを払拭できずにいます

製造業と一括りでいっても様々な企業があり、企業が求める人材も様々です。
企業の情報や会社の理念などをホームページに掲載したり、InstagramやFacebookなどといったSNS(Social Networking Service)で職場の雰囲気を発信したりすることによって若年層の目に留まるような努力をすることも必要です。

また、企業自体が求める人材は具体的にどのような知識、資格、経験を有する人材を必要としているのかを明確化すれば、求職者側とのミスマッチや早期離職を防ぐ事も可能になります。

製造業全体のイメージを一朝一夕に覆すことは難しいかもしれませんが、各々の企業が自ら人材獲得に向けてアピールすることは不可欠なのです。

企業のアピールを動画で公開することも選択肢の一つだと思われます。
構成、撮影、編集、運用まで採用動画の活用をトータルでサポートしてくれる「採用動画制作」を利用すれば、採用活動がスムーズになり、企業イメージもアップし、人材獲得につながるのではないでしょうか。

業務をデジタル化した人材育成の強化

製造業では技術の可視化が進まず技術の伝承が上手く行われていないと明記いたしましたが、一方ではものづくりの工程や活動におけるデジタル技術の活用をしている企業は年々増加しているのも事実です。

デジタル技術を活用している企業は「自社の既存の人材に対してデジタル技術に関連した研修・教育訓練を行う」とする企業が48.5%と最も多く、次いで「デジタル技術に精通した人材を中途採用する」「デジタル技術に精通した人材を新卒採用する」などのように、デジタル技術に精通した人材を積極的に採用しています。

デジタル技術を活用していない企業は「導入・活用に関するノウハウが不足しているため」「導入・活用できる人材が不足しているため」と回答した企業が多く、デジタル技術のノウハウや人材が不足しているのは明らかです。

だからといって手をこまねいているばかりでは、人材不足の解決はできません。このままデジタル技術を活用せずにいると、人材不足による生産性の低下に陥り、事業の縮小や最悪の場合は倒産する憂き目にあうかもしれないのです。

そこで、デジタル技術に精通した人材を育成する為に、国や公共団体も以下のような支援を行っています。

・公共職業能力開発施設などを活用した自社の人材育成
・中小企業の生産性向上に向けた人材育成支援

支援策を有効に活用して、デジタル技術に精通した人材の育成を図るのも改善手段一つではないでしょうか。

製造業界で人材不足を解消した成功事例紹介

製造業では人材の確保と技術のデジタル化は必要不可欠だと考えられます。
その2点を解決するために、企業がどのような施策を実施した具体的な成功例をあげて紹介いたします。

「女性採用の強化による雇用拡大」の成功例

「シンセメック(株)」は製造業の「3K」というイメージから、人手不足が課題でした。そこで、積極的に女性の採用・活躍に取り組むことにしました。

女性が働きやすいように、女性用トイレの増設や更衣室を女性用に改修するなど職場環境を整備しました。また、定型化が可能な業務については、簡素化できるよう整備し、非熟練技術者でも業務にあたれるように生産工程を見直しました。

その結果、女性技術職の採用に成功し、その後も「女性が多い会社」と認知されるようになった事で、継続的に女性採用を実現できました。
また、定型化できる作業を専門エンジニア以外が分業することで、生産効率もアップしました。

「特定技能外国人の雇用拡大」の成功例

「(株)シラカワ」では、アルミダイカスト製品製造、工場用換気扇部分製造を行う企業で、人手不足が課題でした。

2019年4月に新設された在留資格「特定技能」によって、従業員数132名のうち外国人材60名(うち、特定技能外国人58名)を受け入れていました。(2023年3月現在)

その結果、特定技能外国人を含めた優秀な人材6名が現場のリーダーになり、日本人も含めた約40名の社員を現場で束ねるまでに成長しました。
更に、同社が所在する白川町は高齢化が進み30年連続で人口減少していましたが、同社がある白川町黒川地区は特定技能外国人を受入れたことにより2年連続人口増加に転じており、地域の活性化にもつながっています。

「デジタル技術の導入・活用に向けた人材育成」による成功例①

「国本工業(株)」は自動車向けパイプ加工を行う企業でしたが、人手不足が課題でした。

そこで、必要なスキル、経験をマップ化し、教育体系を設定し、デジタル技術に係る講習も含め必要な教育機会を整備しました。

その結果、工場内のロボットのプログラミング等や生産管理・監視システムの開発・運用を自社のデジタル人材が行う体制が構築されました。その為、製造ラインに人員が張り付く必要がなくなり、人手不足の解消につながりました。
また、デジタル技術に係る講習や教育訓練を実施たことで、若年層の人材も活躍が顕著になり、スキルに応じた待遇の改善や環境改善により、安定した人材の確保も実現できたのです。

「デジタル技術の導入・活用に向けた人材育成」による成功例②

「武州工業(株)」は老舗の金属加工品メーカーで、全ての作業を一人が行う 「一個流し生産」が特徴でしたが、従業員の技量による作業時間と品質のばらつきが課題となっていました。

経営層と現場従業員間で、デジタル技術の知識・経験差があった為、それをつなぐ人材を社内で育成しました。

その結果、デジタル技術に関する「意識」が社内全体に浸透しました。そして、設備機器の稼働データを取得し、生産管理システムに紐付け生産実績・工程不良とあわせてリアルタイムに管理を実施。それにより、従業員ごとに生じていた、作業時間と品質のばらつきを改善することができました。
生産性向上により従業員の処遇改善でモチベーションが向上し、従業員がスキルアップすることによる個々の能力向上が、会社全体の生産性と品質の向上に直結し、更に従業員の処遇改善につながるという好循環を生みだしました

問題解消に導くツール

他社での成功例は理解できるものの、自社ではコスト的に導入が難しいとか、どのように導入すればわからないなどの理由から、デジタル技術の導入を見合わせている場合は、既存のツールを活用するのも選択肢の一つと考えてはいかがでしょうか。

遠隔支援ソリューション ウェアラブルカメラ「遠場監督」
ヘルメットに装着して使うウェアラブルカメラで、遠隔地から映像を使って現場をリモートおよびサポートするツールです。
管理者が現場に行く時間やコストを抑えられ、製造ラインの管理、可視化が可能になります。

工場用eラーニング・オンライン研修ツール「スマートスタディ」
インターネットを利用して行う学習するeラーニングのプラットフォームを利用して、仕事の情報共有や人材育成に役立つツールです。

教育研修や仕事のマニュアルを作成し、その学習履歴や進捗状況により、社員の成熟度を可視化できます。また、コンテンツの多言語対応をしているので外国人労働者にも業務内容を伝えることができます。

今後の展望と改善への道筋

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(出典)「製造業を巡る動向と今後の課題」(経済産業省製造産業局)

日本の製造業の現場は、高度なオペレーションや熟練技能者の存在により現場の部分最適・高い生産性には強みを持っていますが、企業間でのデータの連携や可視化の取り組みができている製造業者はまだまだ低い水準です。

今後は会社をまたいで製品を流通させるサプライチェーン(製品を作る原材料の調達や、部品の調達、販売、消費者に届くまでの一連の流れ)の最適化がより強化される事が想像できます。

そうなると、日本の製造業の強みである現場を支える人材不足の補充や、次々と進歩するデジタル技術に精通した人材の確保は必須です。

その為には、高齢者や女性の雇用、そして外国人の雇用も視野に入れる必要があります。また、デジタル技術に精通した人材を会社単位だけではなく、サプライチェーンに係る企業全体、更には国の支援によって育成する必要もあるのではないでしょうか。

人材不足の解消に向けた政府の支援策

人材不足の解消に向けた政府の支援も次第に広がりつつあります。

深刻化する人手不足への対応として、2019年4月に在留資格「特定技能」が新設され、一定の専門性・技能を有した外国人を受け入れることになりました。

また、デジタル技術に精通した人材を育成する為に、国や公共機関が新しい職業訓練の実施や支援を行っています。その施策を有効に利用して、人材を育成する事も重要になってくると思われます。

<ものづくり産業における労働者の確保等に係る施策や支援>

・国や都道府県に設置されている公的職業訓練によるデジタル人材育成の実施と支援
⇒WEBデザイン等の資格取得を目指す訓練コースや、企業実習を組み込んだデジタル分野の訓練コースの委託費等の上乗せ措置を実施。
⇒デジタル分野のeラーニングコースにおいて、パソコン等の貸与に要した経費に対し委託費等を支給。

・(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構が、中小企業等の労働生産性向上に向けた人材育成の支援を目的として、全国87ヵ所に生産性向上人材育成支援センターを設置。
⇒「中小企業等DX人 材育成支援コーナー」を設け、中小企業等からの「デジタル人材育成の悩み」等の相談への対応や、DXに対応した訓練を拡充。

・ 雇用する労働者に対して職業訓練を計画に沿って実施した事業主に「人材開発支援助成金」を支給し、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成。
⇒「人への投資促進コース」や「事業展開等リスキリング支援コース」を創設。

上記のような支援は年々拡充していますので、自社の応じた支援を得る為に「補助金助成金 申請代行サポート」のような代行サービスを利用するのも一つの手段ではないでしょうか。

新たな働き方や労働環境の模索

現在の製造業は、以前の「3K」と言われたように長時間労働で会社の歯車として物をつくるだけの仕事とは大きく異なり、自社の強みである高品質の製品を如何にデータ化して継承し、企業間でのコミュニケーションを多角的に交流することによって、新たなビジネスチャンスを生み出す人材が求められています。

一方企業も自社の強みや問題点を認識することによって、必要な人材を明確化してそのための環境を整え、新規雇用だけでなく自社の中から人材を育成する事も必要だと思われます。
製造業の働き方や労働環境は大きな転換点を迎えている最中なのかもしれません。

だからこそ、多様に変化する将来を見据えて、一つの考えに固執せず柔軟に取り組んでいく覚悟と取り組みが求められています。

まとめ

・ 日本の総人口の減少に伴う労働力不足などにより、製造業も人手不足に陥っているが、高齢者の再雇用、女性や外国人の雇用拡大によって問題解決へ導く
・ 熟練技術者の技を可視化してデータ化することによって、技術の継承を行い、企業としての競争力を蓄える
・ デジタル技術での環境改善を実施することによって、従業員の処遇改善を図り離職を防ぐ
・ 日々進歩するデジタル技術に精通する人材を教育・育成することによって、サプライチェーンに係る企業へ進化させる